動物たちの変化が「自然災害」を事前に教えてくれるかも
生き残った村人たちは、近隣のトリヤンバラ村にあるナイナ・デヴィ寺院に避難しています。
彼らは突如として家も財産も失い、一部の住民は高血圧やうつ症状など、深刻な心理的影響を受けているといいます。
とはいえ、ナレンドラさんの飼い犬が異変を察知して吠えていなければ、また、ナレンドラさんが敏感に反応して村人たちに避難を呼びかけていなければ、多くの命は助からなかったでしょう。
この悲惨な災害の後、インド政府は、1世帯あたり1万ルピー(約1.9万円)の支援金を支給しており、周辺の村々からも支援が寄せられています。
では、なぜこの飼い犬は自分たちに迫る危険をを察知し、警告できたのでしょうか?
特に犬は、地盤の微細な振動や、建物内部の音の伝導などを、聴覚や触覚を通じて感じ取ることができるといわれています。
今回のように、家屋の亀裂を把握することはもちろん、土砂崩れを察知できていたとしても不思議ではありません。
こうした動物の異常行動は、過去の災害でもたびたび報告されています。
スマトラ沖地震や東日本大震災でも、地震の前に異常行動を見せた動物の話が多く記録されています。
つまり、この飼い犬は「奇跡を起こした英雄」というよりも、自然界とつながる高度なセンサーのような存在だったのかもしれません。
そしてこの出来事は、私たち人間が見逃してしまう異変に、動物たちが敏感であること、そして彼らの行動を軽視してはいけないということを改めて思い出させてくれます。
1匹の犬の「吠え」がなければ、67人の命は失われていたかもしれません。
人間と動物が共に生きるこの地球で、私たちはもっと「耳を澄ませる」必要があるのかもしれません。
きちんと近所の住人を起こして一緒に逃げた飼い主は偉いなと思うわけです。
そこで起こしていたら土砂崩れに巻き込まれるかもしれなかったというのに…。
やはり犬は人間の友