本文2:生命活動と光のつながりが明らかに
撮影の結果は驚くべきものでした。
まず、マウスでは生きているときには明確な光が検出されました。
しかし、安楽死した直後には、その光が全身で顕著に低下しました。
まだ体温は残っているのに、光が大きく弱まったという結果は、この発光が単なる熱や外的な影響ではなく、生きている細胞の化学反応に関係していることを示しています。
なお、この比較では死の前後でそれぞれ約1時間の露光を行い、条件の違いを丁寧に見分けています。
植物でも同じように、興味深い変化が見られました。
気温を上げたり、葉を少し切ったりすると、光の強さが増しました。
さらに、試した複数の処理の中では、傷ついた部分に局所麻酔薬(ベンゾカイン)を塗った条件が最も強い発光を示しました。
これは、植物の体の中でストレスやダメージに反応する化学反応が活発になった結果だと考えられます。
こうした結果から、研究チームは「超微弱光子放出」は生命活動の指標になりうると考えています。
つまり、この光を観察すれば、体の中でどんな反応が起きているのかを、外からそっとのぞくことができるかもしれないのです。
この技術には、医療や農業への応用も期待されています。
たとえば、人や動物の健康状態を体に触れずに評価したり、植物が病気になる前にストレスを検出したりできる可能性があります。
もちろん、今のところこの光は非常に弱く、撮影には長い時間と慎重な環境制御が必要です。
リアルタイムで観察するには、さらに技術の改良が求められます。
それでも、見えないはずの“生命の光”をとらえたという成果は、生体活動を非侵襲的に可視化する新しい手法の可能性を示した重要な一歩といえます。
研究者たちは、この光を「生命が発する小さなメッセージ」と呼んでいます。
もしかすると未来には、私たちの体や植物が、健康状態を“光”で知らせてくれる時代が来るかもしれません。
目には見えないけれど、確かに存在するその輝きが、生命の新たな理解への道しるべとなりつつあるのです。
生き物ちゃんの命の輝きを見よってやつですね。
生命探査とかにも使える日が来るといいですね。