菌類たちは植物よりも先に上陸し地ならししていた

今回の研究が何を示したか、一言で表現すると「生命が陸に上陸する物語の陰の主役は菌類だった」ということになります。
地球の歴史において、植物がまだ現れていない陸上はずっと「荒涼とした岩だけの大地」だと考えられてきました。
しかし、この研究によって、それがちょっと違った視点で見えてきました。
植物が地上に現れるよりはるか昔から、菌類はすでに地表を覆い、岩を砕いて土壌を作り出し、目立たないながらも重要な役割を果たしていた可能性が浮かび上がったのです。
まるで映画や舞台の裏方のように、菌類は目立たない場所で地球環境を少しずつ整えていたわけです。
これは、現在の生態系を考える上でもとても重要な気づきを与えてくれます。
私たちが普段気にすることはほとんどありませんが、実は私たちの足元の土壌には無数の菌類が存在しています。
こうした菌類は植物の根とタッグを組んで養分の循環を手助けし、生態系を維持する「縁の下の力持ち」のような存在です。
つまり、菌類がいなければ森は育たないということです。
今回の研究で明らかになった過去の菌類の役割を知れば、私たちが暮らす現在の世界もまた、菌類がいなければ成り立たないことが改めて見えてくるでしょう。
さらに、この発見が科学に与えるインパクトは相当なものです。
なぜなら、これまでの教科書的な説明では、「植物が陸に現れたことで初めて陸上生態系が成立した」とされてきました。
ところが今回の研究で示されたのは、その植物が現れるずっと前から、菌類たちがひっそりと環境を整える「地ならし」をしていたということです。
これは、地球の歴史を解釈する上での重要な視点の転換であり、これからの教科書が見直される可能性があるということにもつながります。
また、現代的な視点で考えても、「菌類が環境を整える仕組み」を深く理解することは、現在進行中の気候変動に対して土壌や炭素循環を管理するヒントになる可能性を秘めています。
例えば、岩石を分解する菌類の働きを研究することで、長期的な炭素循環の仕組みや土壌を豊かにする方法についての新たな知識が得られるかもしれません。
もちろん、この研究には慎重に考えるべき限界もあります。
今回の年代推定は、あくまで「分子時計」というDNAの変化速度を利用したモデル計算によるものです。
つまり、今回示された年代は「DNAを分析した結果、このくらいの年代だった」という計算結果であり、その時代の菌類の化石が実際に見つかって証明されたわけではありません。
当然、このような計算には不確実性(計算結果が実際とズレる可能性)が含まれているので、将来的には新たな化石の発見や分析方法の進化によって、推定された年代が修正される可能性があります。
特に、この研究で新たに使われたのは「水平遺伝子伝播(HGT)」という、異なる系統の菌類同士で遺伝子が移動した証拠を利用して年代を校正するという珍しい方法です。
研究チームは合計17件のHGTイベントを検出して、菌類進化のタイムラインを精密に調整しましたが、こうした方法が他の生物グループに対しても同じように使えるかは、これからの検証が必要となるでしょう。
それでも、この研究が示したのは、化石という限られた情報に頼らずとも、生き物のDNAに残る「時の痕跡」を読み取ることで生命の歴史の空白部分を埋められる可能性です。
科学者たちにとっては、今回描き出された新しい「菌類のタイムライン」が、今後の化石探索やさらなる研究の大切な道しるべとなるでしょう。
この道しるべを頼りに、研究者たちは地層に眠る未知の菌類や藻類の化石を発掘できるかもしれません。


























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被子植物→裸子植物→胞子→菌類
菌類の前身もあったのかな?
目にも見えない菌類が何億年もかけて大地を耕してたなんてロマンありますね
この「胞子」とは胞子植物のことでしょうか?
つまり,胞子で増える苔やシダ植物のことですね。これらの祖先は真菌類ではなく,緑藻です。真菌類が進化してもシダやコケや植物にはなりません。
勿論,真菌類にも前身はあり,その共通祖先の出現が約14億〜9億年前というのが今回の記事の山場です。
その共通祖先の年代が正しいとしても、それが陸上生活していたという根拠はなにも示されていない。
なおタマホコリカビは真菌には含まれません。全くの別系統です。こんな基本的なところで間違えているようではダメですね。
やっぱそうだよなぁ
陸生動物は腸内共生細菌の棲み家だし、陸生植物の地下系は菌根菌のネットワークになってるし
先に出現した奴らに勝てるわけないよなぁ
それらは共生関係なんだから、勝ち負けじゃないんだよな。お互いに利用してる。
やっぱりタマホコリカビだよな
担子菌類は事実上地上にしか居ない+地衣類の殆どは子嚢菌類+水棲から陸棲まで幅広く分布する。
だから、上陸したメインは子嚢菌類で、この記事の地上の菌の楽園時代は恐らく子嚢菌類が幅利かして時代でもあるんだろうな。そして維管束植物(≒苔以外の地上植物)の出現と繁栄で苔みたいな地位(今の地衣類)に追いやられたんだろな。
その時に子嚢菌類の一部から対植物特化に進化して出現したのが担子菌類なんだろうな。
土 がどうやってできたのかの話だな。
植物は元から植物なのか
https://ncode.syosetu.com/n6311ld/
まるでこの物語のようだ!
山岳で崩落した土地に、最初に何が侵入してくるか、地質をやってる人は知ってる。
岩肌には植物は生育できない。地衣類が土地を耕し、土壌ができることで植物が入ってこれる。
なぜ菌類と藻類が共生する道を選んだのか、他の組み合わせが誕生しなかったのか、知りたいところです。
画像のようなレベルの「王国」を築いていたのなら、化石がもっと発見されてもよさそうなものだが。
地衣類の化石は発見しづらいということもありますが,そもそも10億年前の地層を発掘しようとする奇特な考古学者はまずいないと思います。関東ローム層の下を発掘しようとする考古学者がいなかったように。
さらに,10億年前の陸地は超大陸ロディニアであり,その後の大陸移動で当時の地表は地中奥深くに沈み込んでいるのではないでしょうか。
化石が見つかるのは,2~3億年前の超大陸パンゲアとその後にできた各大陸の地表なので,10億年前の地衣類の化石が見つかるとは思えません。
3億6千万年前から6千年くらい続いた石炭紀の地層に分厚く石炭層が形成されたということは、その前のシルル紀を含め、(今の世でいうところの生木や倒木にとりついてリグニンやセルロースを分解できる)腐朽菌が存在しなかったか、極めて限られた活動しかしてなかったとみていいでしょう。
初期の菌類が地衣類っぽいものだとして、どうしてそれが陸生と言えるのでしょう。水中を漂う接合子や遊走子を胞子に置き換えるのは進化のジャイアントステップのように見えます。水棲で緑藻類と共生するやつらの時代が長く続いてもいいように思えます。
確かにそうだと思います。木材腐朽菌は担子菌なので,石炭紀にはまだ出現していなかったはずです。なお,元論文は担子菌のことではなく,真菌類の共通祖先は14億〜9億年前に出現したと述べているだけです。
また,初期の地衣類は藍藻(シアノバクテリア)に共生した子嚢菌の祖先だと思います。藍藻は緑藻とは異なり,水陸両用ですから,藍藻が単独で上陸して,次に子嚢菌が共生した地衣類が上陸したと考えるのが妥当です。緑藻に共生した子嚢菌もやがては上陸したはずですが,その条件はよくわかりません。