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Credit: canva
technology

カラオケのように漫才を演じられる「漫才カラオケ」を開発

2025.10.15 17:00:03 Wednesday

「一度でいいからプロの漫才師みたいにボケてみたい、ツッコんでみたい」

そんな夢を叶える新しいエンターテインメントが誕生しました。

名古屋大学大学院 工学研究科の研究チームが開発したのは、まるでカラオケのように画面の指示に従うだけで本格的な漫才を演じられる「漫才カラオケ」というシステムです。

ネタの暗記も、絶妙な間や抑揚のセンスも不要。

誰でも“プロの漫才師になった気分”を手軽に味わうことができるこの新技術、あなたも体験してみたくありませんか?

研究の詳細は2025年8月22日付で科学雑誌『Entertainment Computing – ICEC 2025』に掲載されています。

カラオケ感覚で漫才を演じられる「漫才カラオケ」開発! 画面の指示に従うだけでプロのようなボケ・ツッコミを体験 https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2025/10/post-887.html
Manzai Karaoke: A Real-Time Visual Guidance System for Assisting Japanese Double Act Performance https://doi.org/10.1007/978-3-032-02555-5_16

漫才を演じられる「漫才カラオケ」

漫才といえば、日本を代表する伝統的な演芸の一つです。

これまで多くの人にとって、その楽しみ方は「テレビや劇場で観るもの」でした。

しかし、近年はM-1グランプリにアマチュアが多数参加するなど、プロだけでなく「自分でやってみたい!」という声も高まっています。

とはいえ、いざ漫才を実演しようとすると、いくつものハードルが立ちはだかります。

ボケ・ツッコミそれぞれの台詞を丸暗記しなければいけない上に、タイミングや抑揚、絶妙な“間”、そして動きや表情といった非言語的な表現も求められます。

初心者にはこれが非常に難しく、多くの人が一歩を踏み出せない要因となっていました。

そこで登場したのが「漫才カラオケ」です。

名古屋大学の研究チームは、未経験者でも気軽に本格的な漫才を体験できる支援システム「漫才カラオケ」を開発しました。

このシステムの特徴は、2人組(ボケ役・ツッコミ役)がそれぞれの役割を分担し、画面に表示される台詞や抑揚、感情表現、動作の指示に従うだけで、本物さながらの漫才を演じられるという点です。

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漫才カラオケのイメージ画像/ Credit: 名古屋大学(2025)

具体的には、台詞はもちろん、「このセリフは高めの声で!」「ここは喜びの表情で!」といった抑揚や感情もリアルタイムに表示されます。

さらに、タイミングバーに合わせて動作カードも提示されるため、発話や身振り手振りの“間”も自然に再現できます。

チームは、実際に未経験者10名を対象に「漫才カラオケ」を体験してもらう実験を行いました。

その結果、誰もがスムーズに漫才を実演できただけでなく、観客も「面白い」「上手だった」と高く評価し、実際に大きな笑いが巻き起こりました。

体験者からは「聴衆を笑わせるのは気持ちよかった」「自分が面白い人間になったような気がした」といった感想も寄せられました。

これまで“見る”側だった人たちも、“演じる”楽しさや快感を手軽に味わえる――そんな新時代が始まろうとしています。

次ページ演じる楽しさの拡張と、広がる応用の可能性

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