日本の少子化と社会経済の関係は?
日本の少子化と社会経済の関係は? / Credit:Depositphotos
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日本少子化の実態 全国調査から「男性の低学歴・低収入化」に明らかな相関が見つかる(2022)

2022.05.11 17:00:00 Wednesday

少子化は現在日本が抱える課題の1つです。

この原因について、経済的格差の問題を指摘する声は多く聞かれますが、実際のところ親となる人の経済状況や学歴などがどう関係するかは、十分な分析はされておらず不明瞭なままでした。

そこで東京大学大学院医学系研究科に所属する坂本 晴香(さかもと はるか)氏ら研究チームは、国立社会保障・人口問題研究所が実施する出生動向基本調査を用いてデータ分析を実施

その結果、高学歴・高収入な男性ほど、子供を持つ割合が多く、男性の低学歴・低収入化、雇用形態の変化が少子化の一因であると判明しました。

研究の詳細は、2022年4月27日付の科学誌『Plos One』に掲載されています。

我が国における子供の数と学歴・収入の関係 全国調査から明らかになる少子化の実態(PDF) https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400187301.pdf
Salaries, degrees, and babies: Trends in fertility by income and education among Japanese men and women born 1943–1975—Analysis of national surveys https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0266835

日本の少子化は男性の低学歴・低収入と関連していた

2020年に日本で生まれた子供の数は約84万人でした。

これは1899年に統計が開始されて以来、最低の数字です。

これまでにもさまざまな対策が取られてきましたが、合計特殊出生率は1.3前後を推移しており、解決には至っていません。

2020年に生まれた子供は記録上最低だった
2020年に生まれた子供は記録上最低だった / Credit:Depositphotos

先行研究によって、少子化の原因(低収入化・雇用形態の変化・産後復帰の難しさ)はいくつか指摘されています。

しかしこれらを証明する十分な研究はなされていません

そこでチームは、出生動向基本調査を用いて、所得・教育・年齢を中心に、日本の子供の数がどのように変化しているのか分析することにしました。

このデータ分析では、1943-1975年生まれ(現在47-79歳)の人が対象になり、40代の時点での子供の数が比較されました

世代別・男女別の子供を持っている割合(1943-1975 年生まれ), (左)子供の数,の割合 (右)合計出生率の推移
世代別・男女別の子供を持っている割合(1943-1975 年生まれ), (左)子供の数,の割合 (右)合計出生率の推移 / Credit:坂本晴香(東京大学)_我が国における子供の数と学歴・収入の関係全国調査から明らかになる少子化の実態(2022)(PDF)

その結果、子供を持たない人の数が、男女ともに過去30年の間に3倍近く増えていたと判明。

また男性では、年代に関係なく、高学歴・高収入であるほど、子供を持つ割合が多いと分かりました。

さらに、高収入な男性は子供を3人以上持っている割合も多いという結果に。

低学歴・定収入の男性は子供の数が少ない
低学歴・定収入の男性は子供の数が少ない / Credit:Depositphotos

ちなみに正規雇用の女性は、そうでない女性に比べて子供を持っている割合が少ないことも分かっています。

女性の場合は、雇用や育児の形態が大きく関係するのでしょう。

さて今回の結果を考えると、社会経済環境の果たす枠割の大きさを改めて認識できます。

近年の若年層での雇用の不安定化、それに伴う低収入化が、少子化に大きな影響を与えていることは明らかなようです。

多くの人が予想していた結果が、データ分析ではっきりと示されたことになりますね。

ますます深刻化する少子化を食い止めるには、社会環境の大規模な調整が必要なのかもしれません。

日本少子化の実態 全国調査から「男性の低学歴・低収入化」に明らかな相関が見つかる(2022)のコメント

ゲスト

やっぱり今の日本では旧態然とした男が稼ぎ、女が家庭って役割分担じゃないと子供を作りづらいのかもしれない…

D

因果関係が逆という可能性はないですか?
つまり、昔であればお見合いなどで結婚できていたタイプの男性たちが
恋愛市場では見向きもされず
女性と付き合う望みすらもてないので守るべきものもなく、労働意欲も湧かず、出世欲もなく
非正規でも派遣でも自分が食うには困らないため、低収入の位置に居続ける、という可能性

    ゲスト

    お見合いを何だと思ってるのか知らないけど、現代に見向きもされない男は当時のお見合いでも見向きもされないよ

    ゲスト

    低学歴ってあるからそれはない。低学歴か高学歴になるかは22歳で決まる。

ゲスト

子どもは贅沢品

ゲスト

知ってたわ。つまり女の高望みが原因だって。社会進出したいなどと宣い、下駄を履かされて社会に出たのに結局男に収入を頼るなんて愚か極まる。

    ゲスト

    女性の社会進出で傾くような社会構造がそもそもおかしいんだわ
    何で女が男の犠牲にならなきゃならんのだ
    逆に男が女の犠牲になる構造だったら醜くぴーぴー騒ぐくせに

科学ってすげー!

⬆性別で人を括って文句言っちゃう阿呆の極み

ゲスト

そうなると江戸時代や明治時代は男性が全員豊かで学歴が高かったんだね!

なわけないのにね・・・馬鹿げた結果であり馬鹿げた記事だ。
労働力として人手が必要だった時代が終わってしまい。ただ、子供をたくさん産むことに価値がある時代が終わっ
たからだろうに。機械の操作ができないと農作業ができない時代だから、学が労働に必要になり、
学を身につけるために時間も労力も必要になり、結果的に子供を作る育てる価値が消えた。
次世代のことを考える余地が必要だけど、今の資本主義に企業に政府にその余裕を生み出すような規制がない。
価値観がないことに問題がある。

ゲスト

男性の低学歴化、低収入化が少子化の原因であるとみんなわかってるのに、大学の女子枠によって男性のさらなる低学歴化(はては低収入化)をはかるなんてバカげた政策

    ゲスト

    子供作れない遺伝子は消えるので
    そのうち男がみんな賢くなって
    さらに女性持てる性格いい人が増えて解決するのでは

ゲスト

「低学歴化」って読み違えてる人いるけど、男性の低学歴が増えてますって内容じゃないよね?とはいえ、すごく誤解しやすい書き方…。

参照データがやたらと古いのも気になるし。これはあんまり今のない論文、記事だと思う。

低収入と子供の数の相関は連鎖的であって直接的な関係は無いんじゃない…?馬鹿だからよくわからないけど。

ゲスト

大学受験というふるいに落とされた人間は人生の負け犬確定って残酷な事実よね
年配の人は学歴なんて関係ないとか言ってるけど、結局負け惜しみの強がりなんだろうな
来年のお受験で人生が決まるのか…大学落ちたら首くくった方がいいんだね

とんび

「少子化は男性の低学歴・低収入と関連していた」と書くと、低学歴・低収入が原因のように思えてしまいますが、それは結果として恋愛弱者の人にそういう人が多いということではないかと思います
かつてはお見合いで救済されていた恋愛弱者の救済策を考える方が先では?

ゲスト

以前にも富裕層の出生数はそれなりにあるという調査結果があったと記憶しているが
まあその調査見たのはこのサイトではなかったかも

ゲスト

結婚した家庭が沢山子供を作らないからでは?

ゲスト

結婚と子育てが金持ちの道楽になった時代。

ゲスト

そもそも就職氷河期で高学歴低収入を増やしたのが原因でしょ
あたかも低収入が低学歴しか居ないかのような見出しはミスリードすぎる

ももも

子持ち専業主婦の女性です。産前は仕事をしていましたが、子どもが産まれて辞めざるを得なくなりました。女性側に関しては産前働いていたかどうか調べたりしてほしいです。働きたかったのに子持ちでは働ける環境ではなかった職場の場合、みんなやめるしかないです。やめた理由・やめなかった理由に関しても、あわせて調べてほしいです。男女で収入を考えたときに、男性のほうが収入が多かったら辞めさせられるのは女性側になります。もっといろいろ深掘りしてみると見えることもあると思うので、ぜひパターン別に調べてほしいです。

ゲスト

タイトルは飛ばしだし、コメント欄は元の研究読んでなさそうな人湧いててワロタ

ゲスト

子供も労働力となれば低所得層に子供が増える
子供にお金がかかるようになれば高所得層に子供が増える

男性、女性ではなく世帯所得に相関があるのでは?

高学歴、年収1000万の男性で女性が専業主婦では
共働きより年収が少なく、逆に生活が苦しくなります
教育費にかける余裕が無いので
そんな家庭は一人っ子が多いような気がします

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