画像
※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
biology

33億年前の岩石に史上最古の「生命の痕跡」を発見 (2/2)

2025.11.19 22:00:07 Wednesday

前ページ33億年前の岩石が語り始めた「生命のエコー」

<

1

2

>

生命の誕生が33億年より前に遡る可能性も

生命の痕跡を調べる上で最大の問題は、古代の有機物が長い年月の中で分解・変質し、もとの姿をほとんど留めていないことです。

特に地球誕生後10億年ほどは、激しい火山活動や隕石衝突が続いた“地獄の時代”でもあり、生物由来の化学パターンは容易に失われてしまいます。

実際、過去5億年以内の比較的若い岩石では、生物由来のシグネチャーは非常に明確に検出できましたが、年代が古くなるにつれてパターンは急速に不明瞭になったと報告されています。

しかし、AIはわずかに残った微細な化学パターンを解析し、人間には識別できないレベルの違いから「これは生命活動の名残だ」と判断することができます。

今回、33億年前の試料から陽性の結果が得られたという事実は、少なくともその時点までに生命が地球上に広がっていたことを強く示します。

さらに、より古い岩石から痕跡が検出されなかったのは「生命がいなかったから」ではなく、単に劣化が激しくAIでも判別できなかっただけの可能性があります。

つまり生命の起源は、33億年前よりも前にさかのぼる余地を十分に残しているのです。

加えて、研究者たちは、この方法が地球外生命の探索にも応用できると期待しています。

火星探査車が持ち帰る試料や、木星の氷衛星エウロパの地下海から採取されるかもしれない物質も、AIが“化学のこだま”から生命の影を見抜く可能性があります。

<

1

2

>

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

0 / 1000

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

生物学のニュースbiology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!