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グラフェン強化プラスチックが誕生。※イメージ / Credit:Canva
science

「強度20%向上、18%軽量化」の”グラフェン強化”プラスチックを開発 (2/2)

2025.11.20 20:00:16 Thursday

前ページグラフェン入りプラスチックが強度と軽さをパワーアップ

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なぜGratekの性能は高いのか?グラフェンを組み込む工夫とは?

Gratekの画期的な性能の裏には、「グラフェン」という素材の驚きの特性、そしてそれを活かすための技術的な工夫があります。

グラフェンとは、炭素原子が蜂の巣(ハニカム)状に並んだ、わずか原子一層分だけの極薄いシート状の物質です。

強度は鋼鉄の100倍以上で、柔らかく曲げることもでき、熱や電気も非常によく通します。

この「夢の素材」をうまく利用できれば、軽くて丈夫な部品を作ることができると考えられてきました。

ところが、実際にプラスチックの中にグラフェンを加えようとすると凝集する傾向があり、逆に壊れやすくなる問題が生じます。

研究チームはこの問題をグラフェン粒子がガラス繊維の表面にだけ結びつくように工夫することで解決しました。

こうすることで、グラフェンが集まってしまうのを防ぎ、ガラス繊維そのものがグラフェンで強化されます。

その結果、ガラス繊維の量が少なくても十分な強さが得られ、結果的に部品を軽くできるという、まさに「一石二鳥」の素材となったのです。

Gratekはグラフェンという最先端素材の力を引き出し、自動車部品の「強さ」と「軽さ」を大きく進化させます。

Gratekは市場ではまだ入手できませんが、Axiom Groupは2025年の末までに大手自動車メーカーと契約する予定です。

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「強度20%向上、18%軽量化」の”グラフェン強化”プラスチックを開発 (2/2)のコメント

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次はガラスにグラフェン混ぜて超強度のガラスを。

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