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psychology

ナルシシズムと完璧主義が合わさると「めっちゃ生きづらくなる」

2026.01.11 12:00:27 Sunday

「鍵をかけたか何度も確認しないと家を出られない」 「手の汚れが気になって、何度も洗わずにはいられない」

こうした強迫性障害(OCD)のような症状は、一般的に「不安症」や「神経質な性格」として片付けられがちです。しかし心理学研究によると、この症状の裏には意外な「性格」が隠れている可能性があるといいます。

その性格とは、なんと「ナルシシズム(自己愛)」です。

一見、自信満々なナルシシストと、不安に怯える強迫症状は無関係に見えます。なぜこの二つが結びつくのでしょうか?

ブラジルのサンフランシスコ大学(Universidade São Francisco)の研究チームによると、自分への期待が高い人ほど、現実とのズレに敏感になり、その不安をコントロールしようとして強迫的な行動に走る傾向があるという。

そして研究によると、ナルシシズムと強迫症状この2つを繋ぎ合わせているのが完璧主義なのだという。

この研究の詳細は、2026年1月付けで科学雑誌『Personality and Individual Differences』に掲載されています。

Psychologists identify a potential bridge between narcissism and OCD Psychologists identify a potential bridge between narcissism and OCD https://www.psypost.org/psychologists-identify-a-potential-bridge-between-narcissism-and-ocd/
The Mediating Role of Maladaptive Perfectionism Between Grandiose Narcissism, Vulnerable Narcissism, and Obsessive-Compulsive Symptoms https://doi.org/10.1016/j.paid.2025.113487

ナルシストには二つのタイプがある

「ナルシスト」と聞くと、多くの人は「自分が大好きで、常に堂々としている人」を思い浮かべるかもしれませんが、心理学では、ナルシシズム(自己愛)を一つの性格特性とは見なしていません。それは、大きく二つのタイプに分類されます。

一つは誇大型ナルシシズム(Grandiose Narcissism)です。

これは、自分は他人より優れているという膨らんだ優越感を持ち、攻撃的になりがちで、常に周囲から賞賛されることを強く求めるタイプです。

もう一つが脆弱型ナルシシズム(Vulnerable Narcissism)です。

これは「プライドの高さ」と「自己肯定感の低さ」の板挟みになっているタイプです。

このタイプは内心では「自分は優れている」と考えていますが、現実の自分が理想に追いついていないことも敏感に感じ取っており、失敗したり、他人からの批判によって化けの皮が剥がれることに怯えています。

そのため常に他人の目を気にして行動するようになってしまいます。

どちらのタイプも「完璧な自己イメージ」を追い求めるという点では共通していますが、性格としては過剰な自信家と極端な引っ込み思案のような正反対の形で現れます。

そして心理学の世界では、以前から不思議な現象が報告されていました。それは、「自己愛(ナルシシズム)が強い人ほど、強迫性障害(OCD)のような症状(強迫症状)が出やすい」という傾向です。

これは一見すると矛盾しています。 ナルシシズムは一般的に「自分は優れている」という感覚と結びつきます。一方、強迫症状は「鍵を閉め忘れたかも」「汚れてしまったかも」という不安から同じ行動を何度も繰り返してしまう症状です。

「なぜ、自分は優れていると感じる人間が、些細な汚れや簡単なチェックにこれほどこだわるのか?」 ブラジルのサンフランシスコ大学の研究チームは、このパラドックスを解き明かそうとしました。

そして研究チームは、ブラジル国内の成人約200名を対象に詳細なオンライン調査を実施しました。ここで彼らが着目したのは、単にナルシシズムと強迫症状の関連性だけでなく、「完璧主義」の傾向についてでした。

これが一見矛盾して見える2つの症状をつなげる架け橋になる可能性があると考えたのです。

そこで、チームは参加者に以下の心理尺度について回答を求めました。

  • ナルシシズムのタイプ: 誇大型か、脆弱型か。

  • 完璧主義の要素:

    • 高い要求水準(高水準:自分に高レベルを課すか)

    • 秩序(整理整頓を好むか)

    • 不一致(理想と現実にズレ)

  • 強迫症状の重症度: 侵入的な思考(考えたくもないのに浮かんでくるイメージ)や、繰り返す儀式行動があるか。

研究チームは、これらのデータを解析し、どの要素がどの症状を引き起こしているのか、その心理的な経路(パス解析)を検証しました。

問題は「高い目標」ではなく「不一致の感覚」

解析の結果、驚きの事実が判明しました。「高い目標を持つこと」や「几帳面さ(秩序)」自体は、強迫症状の原因にはなっていなかったのです。

諸悪の根源は、完璧主義の中でも「不一致(Discrepancy)」と呼ばれる感覚でした。これが、ナルシシズムと強迫行動をつなぐ「呪いの架け橋」となっていたのです。

この不一致の感覚というのは、「理想の自分」と「現実の自分」のギャップをどうしても許せないという感覚です。

ナルシシズムの強い人は、心の中に「完璧な理想の自分」を描いています。しかし、現実はそう簡単にはいきません。

ふとしたミス、手順の狂い、ちょっとした汚れ…そうした些細な「不完全さ」を目の当たりにしたとき、彼らは「こんなの自分じゃない」「何かが間違っている」という強烈な「不一致(Incompleteness)」の感覚に襲われるのです。

ただ、先程ナルシシズムは2つのタイプがあると話しました。誇大型ナルシシズムと脆弱型ナルシシズムを今回の問題において同列で語れるのでしょうか?

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