乱れた体内時計は「原因」か「結果」か
ただし、ここで注意すべき点があります。
体内時計の乱れは、認知症の原因なのでしょうか。それとも、すでに始まっている脳の変化の「初期サイン」なのでしょうか。
専門家の間では後者の可能性も重視されています。
認知症では、記憶障害が現れるより前から、睡眠や覚醒を制御する脳の領域に異変が生じることが知られています。
その結果として、夜中に目が覚めやすくなったり、昼夜の区別が曖昧になったりするのです。
一方で、体内時計の乱れが身体活動の低下を招き、肥満や心血管リスクを高め、それが間接的に認知症リスクを押し上げる可能性も指摘されています。
実際、日中に適度に体を動かす人ほど、睡眠の質が改善し、脳の健康も保たれやすいことが分かっています。
特に注目されているのが、日光を浴びながら行う日中の運動です。
これは体内時計をリセットし、睡眠と覚醒のリズムを整えるうえで非常に効果的とされています。
「よく眠る」だけでなく「規則正しく生活する」
現時点では、睡眠を改善すれば認知症を確実に防げると断言できる証拠はありません。
しかし、体内時計を整える生活習慣が、脳の健康を支える重要な土台であることは、ほぼ間違いないと言えます。
決まった時間に起き、朝の光を浴び、日中に体を動かし、夜は自然に眠くなる。
こうした当たり前のリズムこそが、将来の認知症リスクを静かに下げてくれるかもしれません。
防災訓練のように派手ではありませんが、毎日の「生活リズム」を整えることは、脳への最も身近な投資なのです。























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