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ADHDは概日リズム障害である:証拠と時間療法の影響 (2/2)

2026.02.15 21:00:03 Sunday

前ページ体内時計の「時差」をリセットする新しいアプローチ

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脳内の「時計」が遅れるメカニズム

体内時計の遅れは、体内で分泌されるホルモンのタイミングに表れます。

その代表的な指標が、暗い環境でメラトニンの分泌が始まる時刻を示す「低照度メラトニン分泌開始時刻(DLMO:Dim-light melatonin onset)」です。

ADHDの大人は、健康な人に比べて、このメラトニンが分泌され始める時間が平均して約90分(子供では約45分)も遅いことが判明しています。

また、朝に体を活動モードへ切り替えるための「コルチゾール(Cortisol)」というホルモンのリズムも、ADHDの人では低下したり、分泌のタイミングが遅れたりする傾向が見られます。

つまり、脳が「今は寝る時間だ」「今は活動する時間だ」と判断するタイミングが、社会生活のリズムと物理的にズレてしまっているのです。

また睡眠の乱れと精神的な症状は、互いに影響し合う可能性があるとも指摘されています。

つまり睡眠が乱れることでADHDの症状が悪化し、そのストレスがさらに睡眠を妨げるという悪循環が起きやすいのです。

ただし、今回の論文は Perspective(視点・提言型論文)に分類されるもので、仮説に対する検証などを行っている研究ではありません。

論文タイトルは「ADHDは概日リズム障害である(ADHD as a circadian rhythm disorder)」となっていますが、この議論は、「ADHDはすべて体内時計の病気」という意味ではありません。

ブランドン・ルー博士自身も、この時間療法がすべての人に効く「万能の治療法」ではないと述べていますが、副作用のリスクが低く、既存の治療とも組み合わせやすい方法であるため考慮する価値があるという論調です。(海外のメディアではルー博士が自身もADHDであるということを語っている)

将来的に、ADHDと睡眠のリズムの関連がより明確になり治療に適切に組み込めるようになれば、一人ひとりの体質に合わせたより簡単で効果的な治療が可能になるかもしれません。

いずれにせよ、概日リズムを整えることはADHD以外の体と心の健康にも重要であることが示されているので、ADHDの特性に悩む人は体内時計を整えることの恩恵がさらに増える可能性があると考えておくと良いでしょう。

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