鶏よりも軽い小型の肉食恐竜が白亜紀にいた――何を食べていたのか?
鶏よりも軽い小型の肉食恐竜が白亜紀にいた――何を食べていたのか? / Credit:Gabriel Díaz Yantén, Universidad Nacional de Río Negro.
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鶏よりも軽い小型の肉食恐竜が白亜紀にいた――何を食べていたのか? (2/2)

2026.03.02 21:30:54 Monday

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「一度きりの小型化」ではなかった恐竜たち

「一度きりの小型化」ではなかった恐竜たち
「一度きりの小型化」ではなかった恐竜たち / Credit:Universidad Nacional de Río Negro and University of Minnesota

今回の研究で分かったいちばん大きなポイントは、「アルヴァレスサウルス類は一度だけ小さくなったのではない」ということです。

むしろ、「ある小ささの範囲の中で、枝ごとに何度も小さくなったり、少し大きくなったりしてきた」という、ジグザグした体重の歴史を持っていたと考えられます。

ミネソタ大学のマコビッキーさんは、このアルナシェトリの標本について、「長いあいだ欠けていたピース」や「ロゼッタストーン(むずかしい文字を読み解く決め手になった石)」にたとえています。

バラバラの骨しかなかった一族に、頭からしっぽまでそろった小さな亜成体が加わったことで、古い標本の意味づけや進化モデルを、一度立ち止まって整理し直せるようになったのです。

かつては、「変な小さな恐竜」として片づけられがちだったこのなかまのイメージを、「小ささをうまく使って生きてきた多様な小型ハンターたち」という、より立体的な姿に変えてくれたことです。

もう一つは、断片標本ばかりのグループに、たった一体でも良い標本が加わるだけで、なかまどうしの関係や大陸への広がり、体の大きさの歴史をここまで整理し直せる、という「化石一体の力」を示したことです。

今この瞬間も、世界のどこかの地層や博物館の棚の奥で、まだ名前の付いていない小さな骨が、次の「カギとなる標本」として出番を待っているのかもしれません。

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鶏よりも軽い小型の肉食恐竜が白亜紀にいた――何を食べていたのか? (2/2)のコメント

まつしくん

恐くない竜かわいい

ハロ

見上げるような巨大なトカゲに小鳥位のトカゲ。
人間で言うならペットボトルキャップのマスコットみたいなミニ人間が足元歩いてる感じになるのか。
なんとも不思議。

非A

アルヴァレスサウルス類の骨格としては比較的完全ですね。十分に復元可能なレベル。前肢に少し基盤的な特徴が残っている様にも見えます。現在見つかっている最古のアルヴァレスサウルス類・ジュラ紀後期・中央アジアのハプロケイルスは、ニワトリより遙かに大きいアオサギ大。又、アルナシェトリと殆ど同時代のルーマニア・ハツェゴ島にも大型のブラディクネメがいました。確かに一方的に小型化した系統では無さそうです。アルヴァレスサウルス類は南米とアジアでは90年代初頭から記載・報告されていましたが、合衆国やカナダ…北米大陸で認知され始めたのは今世紀に入ってから。その頃、合衆国の一部の研究者には「国内の恐竜化石は掘り尽くした」的な発言をしていた人もいましたが、全く的外れだった訳です。今回のアルナシェトリを始めとする様々なアルヴァレスサウルス類、アンズー等の大型カエナグナトゥス類、ララミディア地域の角竜を筆頭とする新属ラッシュ…。特に白亜紀後期~白亜紀末の新属の発見と記載は目覚ましく、今回のアルナシェトリも、その列に加わった形です。逆に言うと、まだまだ眠っている恐竜達(何しろ、発掘後の瓦礫置き場を恐竜博物館の駐車場にする工事中に恐竜の骨が見つかる程)を尻目に、その時点の、しかも北米大陸の標本だけを以て「天体衝突以前の白亜紀末の時点で、恐竜の多様性は大幅に減少していた」とか「ティラノサウルスは成長過程で異なるニッチェを占めるため、白亜紀末の北米には中型の肉食恐竜は存在しなかった」etc.…の実情とは乖離した仮説が大手を振って唱えられ、定説かの如く拡散した事もあったのですから、呆れます。今回の発見が(一部とは言え)そうした安易な仮説に対する反証の起点に加わる事を願っています。

非A

先程、アルナシェトリについて調べてみました。アルゼンチン産との事で、北米大陸の小型恐竜の情報量増加には寄与しない点では少々残念です(アメリカの白亜紀中頃~後期のこのクラスの恐竜化石は断片ばかり)。一方、カンデレロス層産という事ですので、別の喜びも。この層準からはJakapilという、基盤的装盾類が白亜紀中頃までサバイバルし、独自の進化を遂げた驚天動地の小型恐竜が発見されており、調査・研究が更に進むのは大変目出度いと思います。

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