記憶は注射できるのか? アメフラシが見せた衝撃
記憶は注射できるのか? アメフラシが見せた衝撃 / Credit:Canva
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記憶は注射できるのか? アメフラシが見せた衝撃 (4/4)

2026.03.20 22:00:29 Friday

前ページ世代を超えた記憶の継承はあるのか?

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いま科学が言える、いちばん面白い答え

いま科学が言える、いちばん面白い答え
いま科学が言える、いちばん面白い答え / Credit:Canva

では最終的に、「ある個体から別の個体に記憶が移ることはあるのか?」という問いに、科学はどう答えるのでしょうか。

いまの科学が出している答えは、「ある意味ではYESだけど、みんなが想像するような派手な意味ではNO」です。

つまり、SF映画のように「昨日の楽しかった記憶」を注射で他人に移す、という現象はまだ確認されていませんし、かなり現実味が薄い話です。

しかし、「記憶そのもの」ではなく、「記憶をつくる土台となる感受性」や「刺激への反応性」、「が学びやすくなる状態」のようなものが物質を通じて移ることは、少なくとも動物研究では複数の系で示されています。

アメフラシの実験でも、若い血や血しょうを使った若返りの研究でも、父親の体験が子に伝わる研究でも、伝わっているのは「記憶の具体的な内容」ではなく、「脳の反応を決める設定」です。

例えるなら、記憶というのは映画のようなもので、映画そのものを丸ごと別の人の頭にコピーすることは難しいですが、「その映画が感動的に感じやすくなるように感受性を高める」ことや、「怖いシーンでより強く反応しやすくする」ことなら可能だ、ということです。

これが現代の科学が示している最も面白く、正直な答えです。

記憶そのものはまだ自由に受け渡せませんが、経験が脳だけではなく、血液や細胞の物質を通じて体全体に影響を及ぼし、さらにその一部は子孫にまで影響を残す可能性があるのです。

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