肉を多く食べていると遺伝的にアルツハイマー病になりやすい人も認知症リスクが低くなっていた
肉を多く食べていると遺伝的にアルツハイマー病になりやすい人も認知症リスクが低くなっていた / Credit:Canva
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肉を多く食べていると遺伝的にアルツハイマー病になりやすい人も認知症リスクが低くなっていた

2026.03.27 22:30:30 Friday

スウェーデンのカロリンスカ研究所(KI)で行われた研究によって、アルツハイマー病の特定の遺伝リスクを持つ高齢者は、肉を多く食べていた人ほど認知機能の低下がゆるやかで、認知症リスクも低い方向にあることが関連する可能性が示されました。

論文では、もっとも肉を多く食べていた群では、この遺伝子型で予想される不利が目立たなくなり、特に認知症リスクにおいては、他のリスクが低い遺伝子型との間と有意差がなくなるほどの違いが見えました。

食にかんする話では「肉は減らすほど正しい」という論調がしばしば目立ちますが、少なくとも脳の健康において、全員にそのまま当てはまらない可能性が見えてきました。

この遺伝子型の人たちは、世界ではおおよそ4人に1人、日本では5人に1人程度とされます。

しかし、なぜ肉の摂取は、一部の人で認知症リスクの低さと関連したのでしょうか?

研究内容の詳細は2026年3月19日に『JAMA Network Open』にて発表されました。

Meat Consumption and Cognitive Health by APOE Genotype https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2026.6489

そもそも肉が健康に必要な人がいるのか?

そもそも肉が健康に必要な人がいるのか?
そもそも肉が健康に必要な人がいるのか? / Credit:Canva

食事の話は、すぐに道徳の顔をしがちです。

こちらは善、あちらは悪。

こっちを選ぶ人は意識が高く、そっちは遅れている。

そういう単純な物語は、見出しにもなりますし、誰かに配る“正しさ”としても扱いやすいからです。

もちろん環境や健康の議論には常にアップデートが必要ですが、そこでしばしば置き去りにされるのが、人間の体はそんなに画一的ではないという当たり前の事実です。

とくにの健康となればなおさらで、同じ食べ物でも、誰の体で食べるかによって意味が変わる可能性があります。

今回の主役である APOE は、アルツハイマー病リスクと深く関わることで有名な遺伝子です。

この遺伝子には主に2型・3型・4型と3タイプがありますが4型を持つ人はアルツハイマー病になるリスクがかなり高くなることが知られていました。

具体的には、父母から1つずつ受け継いだ2つのAPOEのうち、1つが4型でもう1つが3型(ε3/ε4)だと発症リスクはおおむね2〜4倍、2つとも4型(ε4/ε4)だと8〜15倍ほど高くなるとされています。

先にも述べたように、このどちらかの遺伝子型を持つ人は世界人口の4人に1人、日本では5人に1人ほどの割合で存在します。

(※なお2型(ε2)は4型(ε4)と反対側の適応だと考えられています)

そこで研究者たちは、APOE4型がこれほど大きく病気のなりやすさを左右するなら、健康の基礎となる、体が栄養をどう使うかにも関わっているのではないか、と考えました。

もしそうなら、毎日の食事、とくに動物性食品との相性にも違いが出るかもしれません。

というのも研究チームはAPOE4型が進化的に古い型であり、人類がより動物性食品に頼っていた時代と関係している可能性があると考えているからです。

肉が重要な時代の遺伝子がアルツハイマー病に関係するなら、肉を食べることと病気リスクも何らかの関係があるかもしれません。

研究チームはさらに、APOE4型が進化的に古い型であり、人類がより動物性食品に頼っていた時代と関係している可能性にも言及しています。

だとすれば、APOE4型を持つ人では、「肉は控えめに」という意見が、必ずしも追い風とは限らないかもしれません。

そこで今回研究者たちは、APOEの型によって肉と認知機能の関係が違うかを長期追跡で確かめました。

本当に、肉を減らすほど善だという“きれいな話”は、脳の健康にまでそのまま通用するのでしょうか。

次ページ肉の摂取量が多いとアルツハイマー病のリスク遺伝子の不利を跳ね返せる

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