どのようにベニア合板を縫い合わせるのか
この技術の面白いところは、ただ糸を通しただけではない点にあります。
木材は布と違って硬く、普通の針を使うと繊維を切ってしまい、かえって傷めるおそれがあります。
そこで研究チームは、木の繊維を切るのではなく、押し分けるように通せる三角形の針先を選びました。
また、糸にはナイロンが使われました。
ナイロンは、しっかり力を受け止めつつ、ある程度しなる性質もあるためです。
研究チームは木材、糸、針の形、材料の状態の組み合わせを検討し、一番バランスが取れている条件を発見しました。
縫製には標準的な工業用ミシンが使われ、通常は毎分1メートル、最高で毎分2.5メートルの速度で加工できます。
厚さ20ミリまでの積層材に対応でき、金属板のような別の材料との接合も可能だとされています。
では、なぜ縫うと強くなるのでしょうか。
木材の層がはがれようとするとき、縫い込まれた糸がその引っ張る力を受け止めます。
研究者はこれを、鉄筋コンクリート(コンクリートの中の鉄筋が引張力を吸収する)と似た働きだと説明しています。
接着だけでは広がりやすかった剥離が、糸によって食い止められ、壊れるまでにより大きな力とエネルギーが必要になるのです。
ただし、この技術はあらゆる壊れ方に効く万能な補強ではありません。
実験では、層同士が横にずれる「せん断荷重」に対しては、はっきりした改善は見られませんでした。
そのため、この方法は特に「はがれやすい場所」を狙って補強するのに向いています。
応用先として期待されているのは、スキーやスノーボード、自動車内装、家具、建築分野などです。
研究チームは、大きな面全体を補強するよりも、高い剥離応力がかかる小さな部分に使うほうが効果的だと考えています。
さらにこの技術は、強くするだけでなく、新しい形の木製品を作る可能性もあります。
布を縫い付けて柔らかい接合部を作れば、折りたたみ式のベンチや運びやすい橋のような構造も実現できます。
実際に、折りたたみベンチや折りたたみ橋のデモも作られています。
「木材を縫う」ことは、木材の強度を上げる新技術であるのと同時に、木の使い方そのものを見直す発想なのかもしれません。

























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