少子化は「誰の出生数が減っているのか」
少子化は、ふつう「国全体の出生率が下がっている」という数字で語られます。
しかし平均値だけを見ると、その内側でどのような人たちの出生数が変化しているのかは見えにくくなります。
同じ社会にいても、結婚や子どもを持つことを「自然な人生の流れ」と考える人もいれば、「それは選択肢の一つでしかない」と考える人もいます。
研究者たちが注目したのは、このような価値観の違いが、実際の出生数との間に関連が見られるのかという点です。
今回の研究では、米国の人々の政治意識、宗教、家族観、教育、生活意識などを長期的に調べてきた代表的な社会調査「General Social Survey(GSS)」のデータが使われました。
対象となったのは、1903〜1982年に生まれた40歳以上の人々で、男性1万681人、女性1万2294人です。
研究者たちは、対象者を5年ごとの出生世代に分け、政治志向と最終的に持った子どもの数を比較しました。
ここで重要なのが、今回は「子どもを持ちたいか」という希望ではなく、出産期を終えた人々が「実際に何人の子どもを持ったか」を調べたという点です。
出生数を見るうえで目安になるのが、「人口置換水準」です。
これは、人口が長期的に大きく減らないために必要とされる出生数の目安で、先進国では一般に1人の女性あたり約2.1人とされています。
結果を見ると、古い出生世代では、左派・中道・右派の間で出生数に大きな差はありませんでした。
ところが、1943〜1947年生まれ以降の世代では、右派寄りの人々は人口置換水準を保っていたのに対し、左派寄りの人々では出生数が大きく下がり、人口置換水準を下回っていたのです。
さらに分析では、宗教参加が多いことは子どもの数の多さと関連し、教育年数の長さは子どもの数の少なさと関連していました。
つまり、米国では新しい世代ほど、出生数の低下が左派寄りの人々に強く表れ、右派・保守寄りの人々では比較的維持されていたのです。
ではこの結果は、将来的にどのような社会を予測するのでしょうか?


























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