コケが神経ネットワークを思わせる電気パターンを示した
コケが神経ネットワークを思わせる電気パターンを示した / Credit: Adamatzky (2026) / Royal Society Open Science / CC BY 4.0
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コケが神経ネットワークを思わせる電気パターンを示した (2/3)

2026.07.25 21:00:16 Saturday

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コケの内部には複雑な電気のパターンが走っている

電気は一か所に留まらず、順番にずれて現れた
電気は一か所に留まらず、順番にずれて現れた / Credit:Canva

3つの時間スケールの発見だけでも十分に驚きですが、話はここで終わりません。

先ほどの16本の電極は、2本1組で8か所に分かれており間隔はおよそ2センチでした。

彼はこの8組を、28通りすべての組み合わせで突き合わせました。

ある場所で電位が動いたとき、別の場所ではどうなっていたか。

ずれはあるのか、ないのか。

すると、同じような電気の動きが、少しずつ時間をずらしてそれぞれの電極に現れていたのです。

たとえば、ある電極ペアの活動が、2センチ離れた別のペアよりも約86秒先に現れていました。

速度にすれば、およそ秒速0.2ミリメートルになります。

1センチ進むのに、およそ50秒かかる計算です。

しかも面白いのは、この移動速度も3種類に分かれていたことでした。

速い群れ:秒速およそ0.2ミリ

中間の群れ:秒速およそ0.02ミリ

遅い群れ:秒速0.005ミリ未満

そしてそれが、先ほどの3つの時間スケールと対応していました。

速い信号は速く進み、遅い波は遅く広がっていたのです。

コケには、神経や維管束のような専用の配線がないため端と端は、電気的には無関係のはずでしたが、電気が現れる順番があったのです。

アダマツキー氏はこの結果から、コケのクッションは孤立した細胞の寄せ集めではなく、ひとつながりの、興奮する媒体として振る舞っている可能性があると考えました。

より専門的な言い方をすれば、「空間的に分布した興奮系」ということになります。

では、配線もないのに、どうやって2センチ先まで届いているのでしょうか。

アダマツキー氏は3つの仮説を提示しています。

細胞と細胞のあいだの隙間を通っている。

水の連続性を通っている。

あるいは組織を介したイオンのやりとりで結ばれている。

というものでした。

言ってみれば、配管がないなら、濡れた体そのものが配線になっているのではないか、という発想です。

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