遺伝子編集ビーグルでは、アレルギー反応が検出されず
研究チームは、遺伝子編集ビーグルのほか、通常のビーグル、スタンダードプードル、ゴールデンドゥードルの唾液を比較しました。
するとCan f 1は通常のビーグルだけでなく、プードルとゴールデンドゥードルからもはっきり検出されました。
一方、編集ビーグルからは検出されず、毛やフケを使った分析でも同じ結果でした。
次に行われたのが、人間の皮膚プリックテストです。
参加した成人男性1人はCan f 1に対する特異的IgE(特定のアレルゲンにだけ反応するIgE抗体)を持つ一方、調べたCan f 2〜6には検出可能なIgEを持っていませんでした。
通常のビーグル由来の試料では約6mmの膨疹が生じ、プードルとゴールデンドゥードルの試料でも強い反応が確認されました。
ところが編集ビーグル由来の試料では、検出可能な膨疹が生じませんでした。
毛やフケ由来の試料でも同様です。
つまり少なくともこの参加者では、Can f 1を除いた編集犬由来の試料に対して、検出可能なアレルギー性皮膚反応がみられなかったのです。
また2頭はこれまでの獣医学的検査で明らかな健康異常を示さず、成長やX線画像も正常範囲でした。
ただし、この研究にも限界があります。
人での試験は1人だけで、犬アレルギーにはCan f 1以外のアレルゲンに反応する人もいます。
さらにCan f 1が犬自身で担う役割はまだ分かっておらず、2頭の長期的な健康への影響も今後確認する必要があります。
それでも今回の成果は、犬アレルギーへの対策を人間側だけに求めるのではなく、主要アレルゲンの発生源そのものを遺伝子編集で取り除ける可能性を示した、重要な概念実証といえるでしょう。

































