「ゲロ狩り」はバブルスだけの秘伝なのか?

この横取りは、バブルスだけの技なのでしょうか。
これまでのところ、同じことをするイルカはほかに見つかっていません。
バブルスは仲間と一緒にいる姿も見られていますが、横取りはいつもひとりで行っていました。
ほかのやり方で狩りをする姿も確認されていないことから、論文は、バブルスがこの技を自分で編み出した可能性を指摘しています。
「何年にもわたって彼がこの行動を繰り返すのを見てきました。いちばん腹の膨れた魚を狙えばいちばん食べごたえのある食事にありつけると、彼は学んだのかもしれません」とアームストロング氏は述べています。
ただし、ギンガメアジが吐く引き金が何なのかは、まだはっきりしていません。
イルカの声がきっかけなのか、追われる恐怖だけで吐くのか、それとも吐いたものをおとりにして逃げているのかは、これから確かめるべき謎として残っています。
それでも、狙った1匹を吐くまで追い、吐いたものだけを食べるという同じ手順が、何年にもわたって繰り返されてきたことは、映像がはっきりと示しています。
研究チームは、こうした珍しい狩りの技は、イルカやクジラの世界でまだ見落とされているだけかもしれないと考えています。
「ほかの種がこの戦法を使っている可能性は十分にあります」とアームストロング氏は述べています。
イルカといえば、笑っているような顔をした、人なつっこい海の人気者という印象があります。
しかしアームストロング氏によれば、イルカを「海の善人」と見るのは、動物に人間らしさを重ねてしまう人間のくせ(擬人化)によるところが大きく、それはイルカの顔が笑っているように見えるせいかもしれないといいます。
「イルカは捕食者です。ほかの種から奪った獲物であろうとなかろうと、積極的に狩りをするのです」と同氏は語っています。






























