この結果は、エンケラドスの生命探しに何をもたらす?

オープン大学で惑星地球科学を研究するデイヴィッド・ロザリー教授は、この研究についてこう述べています。
メタン菌を支えるメタン作りの働きが、再現したエンケラドスの海で成り立つと示したことで、「そこで微生物が生きられるかどうかを阻む壁を、また1つ取り除いた」というのです。
オルシ教授もこう話しています。地球で私たちが理解している「細胞でできた生命」という考え方を当てはめるなら、この微生物や似た生き物がエンケラドスにいた場合、生きのびられる見込みは十分にある、と。
ただし、オルシ教授は念を押しています。
もしエンケラドスで生命が生まれていたとしても、地球の生き物とはまったく違うものかもしれない、と。
仮に似た微生物がいたとしても、メタンを作る微生物がその海で栄えられるかどうかは、はっきりしていません。
実験の期間は、ほんの数日だったからです。
「1年生きられるのか。100万年生きられるのか。私たちには分かりません」とオルシ教授は語っています。
一方で、生命の痕跡を見つけやすくなるかもしれない研究も出ています。
同じ学術誌には、今回の研究者の一部も加わった別の論文も載りました。噴煙の氷の粒は、凍って砕けるときに、海に含まれるさまざまな成分を分けてしまうという報告です。
もし海のしずくに地球外の微生物のかけらが入っていれば、それはごく一部の氷の粒にしか現れない代わりに、その粒の中にぎゅっと濃く詰まっているかもしれません。
ベルリン自由大学で惑星科学を研究するフランク・ポストベルク教授は、これを生命探しにとって「素晴らしい知らせ」だとし、今の技術でも生命のしるしを見つけるのは比較的やさしいだろうと述べています。
エンケラドスへ再び向かう計画もあります。
欧州宇宙機関(ESA)の「L4」ミッションは、土星を回る探査機とエンケラドスの南極に降りる着陸機を組み合わせ、噴煙の中に生命のしるしを探そうというものです。
ただ、打ち上げの案は2042年ごろで、土星に着くのは2050年代になります。
氷の下の海に本当に誰かいるのか、答え合わせはまだ先です。


























