新種のサメは「どれくらいの大きさ」だったのか?

結論から言うと、見つかった標本はメスで、あの大きな鼻先から尾の先までの長さはわずか21.5センチメートルでした。
体は茶色と黒を基本にしながら、ほんのりと紫がかった独特の色合いをしています。
実は、いま世界最小のサメとされているのも、ランタンシャークの仲間です。
その「ドワーフランタンシャーク」は、大人になっても体長が最大21.2センチメートルほどにしかならず、手のひらにすっぽり収まるサイズです。
今回の新種の標本はこれとほぼ同じ大きさで、世界最小のサメの座を争う候補になりうると紹介されています。
ただし、この新種で見つかっているのは、まだこのメス1匹だけです。
ランタンシャークの仲間で注目されているのは、小ささだけではありません。
エトモプテルス属の多くの種では、体が光ることが報告されています。
この光を生み出しているのは、発光器(光を出すための特別な皮膚の細胞)です。
光の役割は、エサとなる生き物をおびき寄せたり、敵を追い払う警告にしたりすることではないかと考えられています。
ただし、今回の新種そのものが光るのかどうかは、紹介記事では触れられていません。
また、エトモプテルス属の43種のうち40種は、国際自然保護連合(IUCN、生き物の保全の状態を評価する国際的な団体)による評価を受けています。
その内訳は、「軽度懸念(いまのところ心配が少ない)」が36種、「情報不足」が3種、「危急」が1種です。
多くの種は底引き網漁が行われる深さよりも深い海に暮らしているため、漁業の影響から守られやすくなっています。
少し前には、西オーストラリア沖の調査でも、水深610メートルまでの深い海から別の新種のランタンシャークが見つかっています。
その研究に加わったCSIRO(オーストラリアの研究機関)の魚類学者ウィル・ホワイト博士は、当時の声明で「ランタンシャークは驚くべきサメのグループだ」と語っていました。
深い海には、私たちが「サメ」と聞いて思い浮かべる姿とはまるで違う、小さな仲間たちがひっそりと暮らしているのです。
サメの世界は、大きさだけでなく小ささでも記録を競い合う、思っていた以上に奥の深い世界なのかもしれません。




















