声を重ねたゾウたちに起きていた「ある変化」

まずチームは、録音した声から、ゾウがそのときどんな場面にいたのかをコンピューターに当てさせました。
その結果、1頭だけの重ならない声からも、何頭もの声が重なった合唱からも、場面を予測できることが分かりました。
予測は完全に正確ではありませんでしたが、当てずっぽうよりはよく当たったのです。
これは、似た場面で出すゾウの声が、似た音の特徴をもっている可能性を示しています。
さらに、合唱の中の1頭ずつの声を調べると、同じ場面で1頭だけが出す声と、つくりがよく似ていました。
つまりゾウの合唱は、それぞれが場面に合った声を持ち寄り、それらが重なって、群れとしての1つの合図になっていると考えられます。
そして特に興味深いのは、特定の場面では、合唱の中のゾウたちの声がだんだん似ていったことです。
研究者らはこの現象を「声の収束(ボーカル・コンバージェンス)」と呼んでいます。
このような現象は、オウムやイルカといった、おしゃべりな動物でも見られてきました。
私たち人間も、互いの言葉づかいを映し合うように似せていくことが知られています。
研究の共著者で、非営利団体アース・スピーシーズ・プロジェクトのサラ・キーン氏によると、声が似ていくのは「ゾウたちが群れの行動を合わせようとしているように見える場面だけ」だったといいます。
キーン氏は、この声の収束が群れの「同意」を表している可能性もあるとしつつ、それを確かめるにはさらに検証が必要だと述べています。





















