雨上がりのにおいはどこから来るのか

ペトリコールの主役のひとつは、土の中に暮らす細菌です。
雨の降らない乾いた時期、土の細菌は「ゲオスミン」という物質を作ります。
ゲオスミンには、細菌がすみかにしている植物のかけらについて、ショウジョウバエなどの虫に「おいしくないし、毒かもしれない」と知らせ、近寄らせない働きがあります。
その一方で、胞子を運ぶトビムシのような小さな生き物は呼び寄せ、ゲオスミンをさらに広い範囲へ散らしてもらいます。
そして私たち人間は、このゲオスミンにとても敏感です。
スウェーデンのカロリンスカ研究所で嗅覚を研究する心理学者ヨハン・ルンドストローム氏は「オリンピックサイズのプールにゲオスミンを1滴かき混ぜただけでも、私たちはそのにおいを感じ取れるでしょう」と話しています。
においの材料は細菌だけではありません。植物も日照りのあいだ、暑さから身を守り水分が逃げるのを抑えるために、香りのある油を出しています。
そこへ雨粒が乾いた地面や植物に当たると、ゲオスミンや油を閉じ込めたごく小さな泡ができます。
この泡が空中に浮かんではじけ、細かな粒となって散らばり、私たちの鼻まで届くのです。
つまり雨上がりのにおいは、乾いた日々のあいだに地面にたまっていたものが、雨粒に叩き出された香りだと言えます。
では、乾いた土が雨で濡れた瞬間、空気には実際どれほどの物質が放たれているのでしょうか。



















