雨上がりの匂いは実は土地と微生物から立ち上っていた
雨上がりの匂いは実は土地と微生物から立ち上っていた / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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雨上がりの匂いは実は土地と微生物から立ち上っていた

2026.10.05 16:35:00 Monday

夕立が上がったあと、玄関を出た瞬間に、なんとも懐かしいにおいが鼻をくすぐることがあります。

この雨上がりの独特のにおいは「ペトリコール」と呼ばれています。

長く乾いた日が続いたあと、雨が降ると立ちのぼる、あの土っぽい香りのことです。

生き物が空気中に放つ揮発性有機化合物は大気の化学に大きく関わっていますが、なかでも微生物が放つ揮発性有機化合物の重要性は、まだ十分に調べられていません。

そこで今回、乾燥の度合いが異なるイスラエル各地の土を使って乾いた土に雨が降る場面を再現し、雨上がりのにおいを調べた研究が報告されました。

なお、この研究はまだ専門家による査読を受ける前の論文として公開されたものです。

雨上がりのあのにおいは、ただの「いい香り」で済むものなのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年1月29日に『bioRxiv (Cold Spring Harbor Laboratory)』にて発表されました。

How climate change is altering petrichor, the glorious smell after it rains (Scientific American) https://www.scientificamerican.com/article/how-climate-change-is-altering-petrichor-the-glorious-smell-after-it-rains/
Dryland soil rewetting induces strong VOC emissions with potential to form ozone and aerosols https://doi.org/10.64898/2026.01.26.701704

雨上がりのにおいはどこから来るのか

雨上がりのにおいはどこから来るのか
雨上がりのにおいはどこから来るのか / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

ペトリコールの主役のひとつは、土の中に暮らす細菌です。

雨の降らない乾いた時期、土の細菌は「ゲオスミン」という物質を作ります。

ゲオスミンには、細菌がすみかにしている植物のかけらについて、ショウジョウバエなどの虫に「おいしくないし、毒かもしれない」と知らせ、近寄らせない働きがあります。

その一方で、胞子を運ぶトビムシのような小さな生き物は呼び寄せ、ゲオスミンをさらに広い範囲へ散らしてもらいます。

そして私たち人間は、このゲオスミンにとても敏感です。

スウェーデンのカロリンスカ研究所で嗅覚を研究する心理学者ヨハン・ルンドストローム氏は「オリンピックサイズのプールにゲオスミンを1滴かき混ぜただけでも、私たちはそのにおいを感じ取れるでしょう」と話しています。

においの材料は細菌だけではありません。植物も日照りのあいだ、暑さから身を守り水分が逃げるのを抑えるために、香りのある油を出しています。

そこへ雨粒が乾いた地面や植物に当たると、ゲオスミンや油を閉じ込めたごく小さな泡ができます。

この泡が空中に浮かんではじけ、細かな粒となって散らばり、私たちの鼻まで届くのです。

つまり雨上がりのにおいは、乾いた日々のあいだに地面にたまっていたものが、雨粒に叩き出された香りだと言えます。

では、乾いた土が雨で濡れた瞬間、空気には実際どれほどの物質が放たれているのでしょうか。

次ページ乾いた土に雨が降ると、空気には何が放たれるのか?

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