氷河を守る「雪の覆い」が消えた年

今回の報告の土台になっているのは、GLAMOSが長年にわたって集めてきたスイスの氷河のデータです。
GLAMOSは、スイスのチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)、フリブール大学、チューリッヒ大学に拠点を置く観測網です。
報告の要旨によると、この報告は氷河が1年でどれだけ増えたか減ったかを表す「年間の質量収支」の測定結果をまとめ、ほかの年と比べた暫定的な評価も示しています(なお要旨では、測定は2025年9月に行われたと記されています)。
まず押さえておきたいのは、2026年の氷河がどんな天気の中に置かれていたかです。
2025年から2026年にかけての冬は、観測が始まって以来、雪が最も少なかった10回の冬の1つに数えられました。
氷河にとって雪は、氷の上にかぶさって守ってくれる覆いのような存在です。
ところが2026年は、その少ない雪のあとに、5月から9月まで暑く乾いた天気が続きました。
夏の熱波で、気温が0℃になる高さ(凍結高度)は標高4000メートルより上まで押し上げられ、そうした日は76日にのぼりました。
これは平均の2倍を超える日数で、スイスの記録です。
この暑さで、最も標高の高い場所でさえ、過剰な融解が起きました。
そして9月には標高3500メートルの場所にも雪が残っておらず、氷河は守ってくれる雪の覆いを失った状態になりました。
では、9月には守ってくれる雪の覆いを失っていたスイスの氷河は、この1年でどうなっていたのでしょうか。



















