「9人全員」の結果をどう受け止めるべきか

ただし、この結果には慎重に向き合う必要があります。
今回は初期段階の第1相試験で、参加者はわずか9人でした。
しかも9人は全員がワクチンを打った人たちで、再発がなかったことをワクチンの効果だと言い切ることはまだできません。
研究チーム自身も、効果を確かめるにはより大規模な試験が必要だとしています。
イピリムマブを組み合わせても問題なく使えましたが、接種直後の血液中の免疫反応の大きさや性質は、大きくは変わらなかったようです。
ただし今回の投与量は通常の使い方よりかなり少なかったため、量を増やせば違う結果になる可能性もあると研究チームは述べています。
さらに接種後には、血管の新生にかかわる因子や、免疫を抑える方向に働く分子が血液中で増えていることも分かりました。
これは免疫が活性化したときに体がかけ直すブレーキのような反応とみられ、この仕組みを抑える治療と組み合わせれば、ワクチンの効き目を高められるかもしれません。
腎臓がんの手術後の免疫療法としてすでに承認されているPD-1阻害薬(免疫のブレーキを外す薬)も、組み合わせの自然な候補に挙げられています。
ワクチンといえば感染症を防ぐもの、というイメージがありますが、自分のがんの目印を免疫に覚えさせるワクチンは、手術のあとに潜むかもしれない小さな敵に備える新しい手段になるかもしれません。
この9人で見えた手応えが、より大きな試験でも確かめられるのか、続報が待たれます。





















