抗生物質のあとの腸は「一人勝ち」の場になる

熱が出て抗生物質を飲んでいるあいだ、食欲はないのに、ゼリー飲料やプリン、スポーツドリンクのような甘いものだけは喉を通ります。
そのうえ、なぜかお腹までゆるくなってきます。
お腹がゆるくなるのは、抗生物質が、病気を起こす細菌だけでなく、腸にすむ細菌までまとめて減らしてしまうからです。
私たちの腸には数百種類もの細菌が暮らしていて、種類が多く、特定の菌に偏っていないこの状態を、腸内細菌の「多様性」と呼びます。
抗生物質は、この多様性を大きく削ります。
そのあとで勢いづきやすいのが、薬を生き延びやすく、増えすぎると感染症のもとにもなる腸球菌(エンテロコッカス)です。
この菌が腸を占めると、血流感染や移植片対宿主病(GVHD)といった重い合併症の危険が高まります。
そのため現在の医療では腸内細菌のバランスを守るために食事にも注意が払われています。
ただし、これまでの研究の多くは「ふだん何をよく食べますか」というアンケートに頼り、健康な人の落ち着いた腸を見てきたものです。
しかし、この2つが重なる場面、つまり抗生物質で腸内細菌が荒らされている最中の食事となると、ほとんど調べられていませんでした。
そこで今回研究者たちは「抗生物質と食事の食べ合わせ」を調べることにしました。





















