脳を食べるアメーバが感染する仕組みが見えてきた――『狭い隙間』が大好き
脳を食べるアメーバが感染する仕組みが見えてきた――『狭い隙間』が大好き / Credit:Naegleria amoebae seek confinement and crawl persistently through narrow spaces
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脳を食べるアメーバが感染する仕組みが見えてきた――『狭い隙間』が大好き (2/3)

2026.10.03 18:00:53 Saturday

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「閉所好き症」のアメーバ

誘われなくても潜り込む「閉所好き症」のアメーバ
誘われなくても潜り込む「閉所好き症」のアメーバ / Credit:Naegleria amoebae seek confinement and crawl persistently through narrow spaces

狭い場所に押し込まれると、アメーバの動き方はどう変わるのか。

答えを得るために研究者たちはまず、危険な本物の代わりに、病気を起こさない近縁種(ネグレリア・グルベリ)を調べることにしました。

脳を食べるアメーバと同じネグレリアの仲間で、ふるまいもよく似ています。

また実験ではアメーバの体より細い、幅2〜8マイクロメートル(1000分の2〜8ミリ)の通路(マイクロチャネル)が並んだ皿にアメーバを入れ、その動きを顕微鏡で追いました。

狭い道がアメーバにとってただの障害物なら、入り口の前で向きを変えて離れていくはずです。

入ったとしても、体を押しつぶされて、外よりものろのろとしか進めないでしょう。

ところが、アメーバは入り口に集まってきました。

1本、ときには何本もの通路へ突起を差し込み、中を探り始めたのです。

幅8マイクロメートルの通路では、入り口に触れたアメーバの65〜100%が中へ入り込み、離れていったのは多くても2割足らずでした。

幅2マイクロメートルの通路は細すぎて入れませんでしたが、それでも入り口に何度も突起を差し込んでいました。

段ボール箱を見つけると、用もないのに潜り込んでしまう猫のような隙間好きぶりです。

研究チームはこの性質を、閉所恐怖症(クラウストロフォビア)の「恐怖(フォビア)」を「好き(フィリア)」に入れ替えた「クラウストロフィリア」という言葉で呼んでいます。

閉所恐怖症にならって訳せば、「閉所好き症」といったところです。

次に研究者たちは、このふるまいがアメーバならどれも見せるものなのかを確かめるため、森の土にすむ別のアメーバ、キイロタマホコリカビでも同じ実験をしました。

(※「迷路を解く粘菌」として話題になったモジホコリは真正粘菌ですが、キイロタマホコリカビは細胞性粘菌で別系統です)

するとキイロタマホコリカビは、ネグレリアが入れなかった幅2マイクロメートルの通路にさえ入り込めることがわかりました。

ただ入り込む率は違っており、平均すると、入り口に触れても4匹に1匹以上が離れていき、中まで入ったのは多くても半分ほどでした。

通路の中で外より速くなることもなく、進み方もネグレリアほどまっすぐではありません。

細い通路を通り抜けられることと、そこへ入りたがる性質の強さや、入ったら突き進む強さは、種によって違ったわけです。

そしてネグレリアは、狭い道を苦手とするどころか、狭い道でこそ迷わず進むアメーバだったのです。

それなら、この小さな体には、狭い場所を突き進むための特別な仕掛けが備わっているはずです。

人の体とは縁のないはずのアメーバが、なぜそんな仕掛けを身につけているのでしょうか?

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