編み物はなぜ「ほつれ」が止まらないのか

そもそも編み物は、布の作り方の中でもかなり特殊な方法です。
編み物では、糸の両端が生地の外側に出たままになっています。
そして糸の途中にできたループ(輪)を、別のループにくぐらせることをくり返して形を作っていきます。
つまり糸はどこも結ばれていないのに、ループどうしが絡み合うことで、その場にとどまっているのです。
この作り方のおかげで、編み物は手軽で、どこへでも持ち歩いて作ることができます。
しかしその反面、ほどけた糸の端を引っぱると、作品全体があっという間にほどけてしまうことがあります。
さらに編み物には、ほかにも素早く広がっていくミスに弱いという特徴があります。
その代表が「ラダリング(はしご状のほつれ)」と呼ばれる現象です。
これは1つの編み目を落とすと、そのほつれが縦の列にそって下へ下へと滑り落ち、列がまるごとほどけてしまうというものです。
研究者は「1つの単位がほどけると、そのすぐ下の単位もほどけ、それがくり返されて、どこまでも広がっていくのです」と説明しています。
外部の専門家によれば、これまでも編み目のミスを数学で記述する研究はありましたが、それはミスを「止まったもの」として扱うものでした。
ミスが生地の中をどう動き、どう広がっていくのかまでは、捉えられていなかったのです。
そこで研究チームは、このほつれの「広がり方」そのものを数学で解き明かそうとしました。






















