植物は腐った仲間の体から「離れるように動く」と判明
植物は腐った仲間の体から「離れるように動く」と判明 / 地面に落ちて腐りかけたリンゴです。腐りかけの場所では、微生物が盛んに活動しています。 Credit: Photo by anaterate on Pixabay(Pixabay のライセンス)
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植物は腐った仲間の体から「離れるように動く」と判明

2026.10.22 07:30:00 Thursday

植物は歩くことも飛ぶこともできないので、一生その場から動かない生き物に見えます。

しかし実際には、植物は水や光、塩、重力といった刺激に合わせて、根や茎を曲げています。

こうした向きを変える動きは「屈性(くっせい)」と呼ばれ、植物が生き延びるうえで欠かせません。

一方、土の中では枯れた植物が微生物に分解され、その栄養が再び土へ戻っていきます。

ただし、そうした腐りかけの場所では微生物が盛んに活動していて、根にとっては危険かもしれない場所でもあります。

では、根は腐った仲間の体に出会ったとき、ただ無防備に伸びていくだけなのでしょうか。

研究の詳細は、中国の西北農林科技大学らにより、2026年7月9日付で学術誌『Science』に掲載されました。

Plants move to get away from their decaying brethren (Scientific American) https://www.scientificamerican.com/article/plants-move-to-get-away-from-their-decaying-brethren/ Roots steer clear of plant rot(ISTA の発表、2026) https://ista.ac.at/en/news/roots-steer-clear-of-plant-rot/
Roots navigate around decay regions by sensing local pH gradients https://doi.org/10.1126/science.adw6568

始まりは、捨てる寸前の失敗した実験だった

この研究のきっかけは、ある失敗した実験でした。

中国の西北農林科技大学の生物学者ユージョウ・チャン(Yuzhou Zhang)氏は、オーストリアの研究室にいました。

そこで取り組んでいたのは、植物が重力に応じて動くしくみの研究です。

実験では、寒天(かんてん)を固めた平たい皿の上で植物を育てていました。

培地を入れて縦に立てた皿で、シロイヌナズナの根を育てる方法の一例です。チャン氏の研究室でも、寒天を固めた平たい皿の上で植物を育てていました。
培地を入れて縦に立てた皿で、シロイヌナズナの根を育てる方法の一例です。チャン氏の研究室でも、寒天を固めた平たい皿の上で植物を育てていました。Credit: Alena Kravchenko / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

ところがある日、その皿の1枚に空気中の微生物が入りこみ、汚れてしまいます。

チャン氏はその皿を捨てようとしました。

その直前、彼はある奇妙なことに気づきます。

皿の中の植物の根が、ほぼ1本残らず、汚れた部分から遠ざかる向きに曲がっていたのです。

チャン氏は「そのそろい方を見て、これは偶然の反応以上のものではないかとすぐに思った」と振り返っています。

もし根が本当に腐った物を見分けて避けているなら、植物にはまだ知られていない動き方があることになります。

こうしてチャン氏らのチームは、この偶然の観察を本格的な実験で確かめることにしました。

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