・散歩やヨガなど、1日10分の軽い運動が記憶力を向上させることが分かる
・運動により、記憶の「保持」と「想起」に関わる脳の領域の結びつきが強化される
・研究チームは、運動する「年齢」や「運動時間」の考察を含めたさらなる研究を進めている
これくらいなら結果にコミットできそう。
新たな研究により、1日10分の運動が脳の接続を促進し、類似した記憶を区別する働きを強めることが示されました。
Rapid stimulation of human dentate gyrus function with acute mild exercise
http://www.pnas.org/content/early/2018/09/19/1805668115
カリフォルニア大学の研究者らが、記憶の「保持」と「想起」に関わる脳の領域の結びつきが、短時間の軽い運動によって向上することを発見しました。具体的には、散歩やヨガ、太極拳などにおいても効果があるとのことです。
健康な、20代の大人36名を対象に実施されたこの研究。彼らに10分間の軽い運動をしてもらい、その前後に記憶能力に関する調査を行いました。その結果、運動後の彼らの脳に変化が見られました。記憶の「保持」を司る「海馬」と「想起」に関わる「皮質層」のつながりが強化されていたのです。
実験参加者には、まず日常生活で見かける物(ブロッコリーやピクニックかごなど)の写真をいくつか提示して、後にそれら対象物をどれだけ覚えていられたかといったシンプルなテストを実施。同じ「ピクニックかご」似たような写真を用意して被験者を惑わせました。そしてその結果、軽い運動後の方が良い結果が示されたとのことです。
研究チームはこの結果を受けて、自分たちの習慣も見直しました。生活に「10分程度の軽い運動」を取り入れるようにしたのです。その結果、プロジェクトの副リーダーである Michael Yassa 氏は、チームの生産性が向上したと感じるだけでなく、個人的な「幸福感」も向上したことを報告しています。
現在研究者らは、研究の理解をより深めるために、実験の対象をさらに年配の方にしたものや、運動時間を伸ばすなどの関連研究を行なっています。
この研究が示すように、1日に「10分の運動」があるかないかによって、もしかすると「人生の質」は驚くほど異なってくるのかもしれません。
via: theguardian / translated & text by なかしー