「イジメ」は定義できない
子どもの世界だけでなく、大人の世界にもはびこる「イジメ」は、世界中で社会問題となっています。なぜイジメはこんなにも発生することが「当たり前」であり、対処が難しい問題なのでしょうか。
その答えの一つに、イジメをしている本人がそれを「イジメ」だと自覚していないといったことがあります。たとえば職場でのイジメにおいて、マネージャーはそれを「ベストを尽くすための手段」であると語ります。とはいえイジメの定義が非常に難しいといったこともまた事実。私たちは「イジメ」と「受け手が繊細すぎる場合」をどのように分けて考えれば良いのでしょうか?
さらに言えば、イジメの手段は様々。わかりやすい身体への攻撃もあれば、侮辱的な口撃や無視、そして最近ではネット上で悪口を書かれることもあります。このように、定義もあいまいで手段も多様化するイジメの実態を把握することは困難を極めます。