「独り身」の満足度が向上している背景
1996年~2014年といった18年の間に、なぜ人々の感情にこのような変化が表れてきたのでしょうか?
1つの背景としては「女性の社会進出」が挙げられます。女性が経済的に男性に依存しなくてもいいケースが増えており、「結婚」の意義が薄れてきています。そのため、必ずしもパートナーを探す必要性を感じなくなったり、あるいはパートナーとの別れを決断しやすい社会になってきているのです。
また、実際に「シングルの人が増えている」といった事実がこの傾向に拍車をかけているともいえます。つまり、以前は「少数派」として肩身の狭い思いをしていたシングルの人々の絶対数が増えることにより、「少数派」としての意識が薄くなってきていることがいえるのです。
さらに、「自分の時間を楽しめる人が増えた」といったことも理由として挙げられるでしょう。シングルの人々は、パートナーを持てばできなかったであろうことを心ゆくまで楽しむことができます。そうした時間に自分を成長させ、さらに自立性を高めることも可能です。
「孤独」に関しても、研究で示されたように「パートナーの有無」との関係は薄くなってきています。つまり、たとえパートナーがいたとしても強い孤独感を抱えて生きている人々は多く存在しているのです。
マクロ的な視点で見れば、こうした傾向はこれからも続いていくのでしょう。しかし、重要なのは私たちに「選ぶ自由」があるということです。シングルライフを謳歌する人生にしたいのか、それとも愛する人と幸せな人生を歩んでいきたいのか、まさに私たちは自分で「どう生きたいのか」を選ばなければいけない時代を生きています。