
■高タンパクの食事が健康に悪影響を及ぼし、寿命を縮める恐れがあることが判明
■タンパク質の過剰摂取が細胞内のたんぱく質合成の速度を上げることで、多くの欠陥タンパク質が生まれる
■特に脳の健康という点においては、「低タンパク・高糖質」の食事こそが健康長寿の秘訣になりうる
健康のため、「高タンパク・低糖質」の食事を心掛けている人は多いのではないでしょうか?中には、お米やパン、パスタなどの炭水化物系の食べ物を目の敵にようにして、避けている人もいるかもしれません。
ところが最近、「高タンパクの食事が健康に悪影響を及ぼし、寿命を縮める恐れがある」という説が発表されました。
研究を行ったのは、オーストラリアにあるSouth Australian Health & Medical Research Institute (SAHMRI)の研究チーム。論文は雑誌「Current Biology」に掲載されました。
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/
タンパク質の過剰摂取で身体に害が…
研究チームは、毛虫やミバエを使い、タンパク質合成が行われる速度に食事がどう影響するかを調べました。その結果、タンパク質合成の速度が上昇することで多くの「エラー」が生まれ、それらが寿命の短縮に関連していることが明らかになりました。
チームの一員であるクリストファー・プラウド氏によると、タンパク質を過剰に摂取すると、細胞内のタンパク質合成の速度が上がり、その処理速度が上がるほどタンパク質の「不良品」がたくさん生まれるのだそう。こうした欠陥タンパク質が細胞内に蓄積すると、身体に害をもたらします。
車の運転に例えるならば、スピードを出している時ほど事故が起きる確率が上がることと同じです。ゆっくり運転した方が、事故が起きにくいのは当然のこと。つまり、タンパク質の過剰摂取を控え、タンパク質合成の速度を一定に保つことで、欠陥タンパク質の生産を抑えることができるのです。