
■世界最小のコガネガエル属の「Pumpkin toadlet」は、UVライトに当たると青白く発光することが判明
■光るのは皮膚ではなく骨で、特に薄い腰部と背中の皮膚のおかげで、体外に光を放出できる
■蛍光色の濃度は大人になるにつれて強くなることからも、パートナー探しに使われている可能性が高い
きれいな発光。嘘みたいだろ。これ、骨なんだぜ…。
世界最小として知られるコガネガエル属(Brachycephalus)の1種に、骨が発光する特性を持つ個体がいることがわかりました。
「Pumpkin toadlet」というカエルは数年前に発見されたばかりの新種ですが、生息地であるブラジル熱帯雨林の森林減少に伴い、すでに行き場を失いつつあります。
そこでニューヨーク大学アブダビ校のサンドラ・グーテ氏と研究チームは、Pumpkin toadletの行動形態や交配の仕方について詳しく調査を行いました。その結果、Pumpkin toadletはUVライトを当てると骨が青白く発光することが判明したのです。
研究の詳細は、3月29日付けで「Scientific Reports」上に掲載されています。
https://www.nature.com/articles/s41598-019-41959-8
自分の声が聴こえない!?
Pumpkin toadletの名前は、文字通りパンプキンのように鮮やかなオレンジ色をした体表から由来しています。そのサイズはわずか1cmほどで小指に乗せられるくらい小さなカエルです。
ただし見た目のかわいらしさとは反対に、強力な猛毒を体内に持っており、パンプキン色は天敵への警告として機能しています。
繁殖シーズンになると、ほとんどの時間をパートナー探しに費やすPumpkin toadlet。彼らは恋人を見つけるべく、大きな声を張り上げて叫び続けるそうですが、この行為はほとんど無意味なんだとか。
というのも、コガネガエルの聴覚は未発達な部分があり、自分たちの高周波の声音を聴くことができないんです。つまり声を出しても同種の相手には届かず、メリットもほとんどありません。切ない…。
それについてグーテ氏は「恋人探しには何か奥の手があるはず」と指摘します。その奥の手こそが、「体を発光させる」ことの可能性があるのです。