
■セロリやキュウリなどの食材を、消化の際のカロリー消費が摂取カロリーを上回る「マイナスカロリー食材」と信じる人々がいる
■その真偽を確かめる研究がトカゲを用いておこなわれ、マイナスカロリー食材の存在が否定される結果となった
■実験の中でセロリを食したトカゲは、カロリーの約1/4を体内に残していた
食べれば食べるほどに痩せていくーー。
ダイエッターにとっては夢のような「マイナスカロリー食材」の存在は、数年前からまことしやかにささやかれていた。
しかし、そんな夢を打ち砕く研究が発表された。研究によって、奇跡の食材はファンタジーでしかないことが証明されたのだ。アラバマ大学の生物科学者らによっておこなわれたこの研究は、査読こそ経ていないものの、先月「bioRxiv」にて公開されている。
Negative calorie foods: An empirical examination of what is fact or fiction
カロリーの1/4が体内に蓄積
セロリ、レタス、グレープフルーツ、キュウリにブロッコリー…これらはすべて、多くのダイエッターによって、ブログや本などで「マイナスカロリー食材」として紹介されたことがあるものだ。
そこで語られる理屈は次のようなものとなる。そうした食材は極めてカロリーが低く、食物繊維が豊富であるといった特徴を持っている。そのため、食材が消化されるためには、摂取されたエネルギーよりも多くのエネルギーが必要とされるというのだ。

実験では、中でも代表格の「セロリ」が用いられた。トカゲに対してセロリを与えてカロリー計算をしてみたところ、セロリに含まれるカロリーのうちおよそ1/4(24%)が体内に蓄積されていたことが分かった。そして残りの3/4(76%)が、消化(33%)や排泄(43%)によって消費されていたのだ。
もともと、多くの医者や栄養士はこの「マイナスカロリー」といった概念に懐疑的だった。彼らは、たとえ少量だったとしてもすべての食材にはカロリーが含まれていると考えているのだ。