オイシイ話にご用心
しかし、これまでその考えを実験によって証明しようとした研究はほとんどなかった。あるいは研究に落とし込むのもバカらしいと思われていたのかもしれないが、今回の研究はそうした観点からも意味を持つものといえよう。
今回実験に使われたトカゲは「アゴヒゲトカゲ属」に属するものであり、それほど人間と進化の過程の系統樹が近いわけではないが、両者ともに雑食動物であり、消化管や消化のプロセスが似通っているといった共通点もある。

この研究では、たった1種の生き物に1種の食材しか与えられていないが、研究者らが立てた仮説によれば、人間がセロリだけでなく、ブロッコリーやキュウリなどのマイナスカロリー食材とされるものを複数食べたとしても、およそ1/4のカロリーが体内に残ることは変わらないようだ。
毎年のように生み出される「新たなダイエット法」だが、その事実自体が、ダイエットに成功している人がわずかであることを証明している。食欲を満たせば満たすだけ痩せられるーー。そんな恐ろしくオイシイ話は、やはり存在しなかったようだ。