統合失調症患者は「燃料タンク」が小さい

「PNAS」に掲載された別の研究では、研究チームはラットにL-Buthionine sulfoximineと呼ばれる薬を与え、脳細胞がグルタミン酸をグルタチオンへと変化させる酵素をブロックして、グルタミン酸の保存がきかないようにした。
すると脳細胞は活性化し、細胞間でより多くのメッセージをやり取りしていることが確認された。研究者いわく、こうしたバランスのシフトは統合失調症を患う人の脳内でみられるパターンと似ているとのことだ。
次に研究者たちは、このバランスのシフトを逆にすることで、グルタミン酸をグルタチオンとして保存ができないかを考えた。ここで登場するのが、先に紹介していたブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンだ。
スルフォラファンは、グルタチオンを作り出すためにグルタミン酸を他の分子と結合させる酵素を生み出す遺伝子を「オン」にすることで知られているのだ。
研究をおこなったトーマス・セドラック氏は、「私たちはグルタチオンを、燃料タンクに貯蔵されたグルタミン酸であると考えています。燃料タンクが大きいほど、より遠くまでドライブすることができますが、タンクから燃料を抜いてしまえばすぐに走れなくなります。統合失調症の人々については、『小さな燃料タンク』の持ち主であると考えることができるのです」と語っている。