
Point
■フィンランド発祥の「カルサリキャンニト」という「下着姿で1人宅飲みする」リラックス方法が人気に
■中庸精神を目指す「ラーゴム」や入念な空間づくりを必要とする「ヒュッゲ」といった以前の方法よりもシンプル
■フィンランドは2018年度の世界幸福度ランキングで1位を獲得している
フィンランド語には「カルサリキャンニト(kalsarikännit)」という言葉がある。「外出予定がなく、下着姿で1人宅飲みをする」という意味だ。
「カルサリキャンニト」は日常生活で幸福になるための最もシンプルかつ簡単な方法のようで、現在世界中に広まりつつある。
実はアメリカにもすでに知れ渡っており、英語では「パンツドランク」と呼ばれているようだ。
馬鹿げた方法だと思われるだろうが、現に発祥国のフィンランドは2018年の世界幸福度ランキングで見事1位を獲得している。
パンツドランクの実績は十分というわけだ。
実践方法もシンプル!
パンツドランクもといカルサリキャンニトのやり方は一言で終わる。
予定をまったく入れない日を作り、おつまみとお酒を用意してパンツ一丁になる、たったこれだけ。あとは自分の好きなドラマでも映画でも音楽でも楽しみながら脱力すれば良いのだ。
それからカルサリキャンニトは必ずしも1人でやる必要はないし、お酒も無理して飲まなくて良い。
気の置けない仲間を呼んで、ひたすら駄弁ってみるのもアリ。はっちゃけ過ぎず「正しく」カルサリキャンニトれば、お互いの仲を深めることもできると本国フィンランドでも人気のようだ。

何より北欧ですでに知られている「ラーゴム」や「ヒュッゲ」といったマインドフル方法よりも簡単で取り組みやすいのが人気の秘訣。
「ラーゴム(lagom)」はスウェーデン語で「完璧なバランス」を意味する。これは過度に厳しすぎず、ダラけ過ぎない「中庸の精神」を目指すもの。つまり常に「善き人間」であることを推奨する考え方だ。
特に道徳的・倫理的に正しい判断を心がける必要があるため、若干の息苦しさは免れえない。

それからデンマーク発祥の「ヒュッゲ(Hygge)」も考えものだ。
ヒュッゲはデンマーク語で「暖かく居心地の良い雰囲気」を意味しており、心地よいと思える空間づくりをすることが何よりも大切となっている。
そのために自分の気に入った衣服やソファ、アロマキャンドル、食べ物・飲み物を準備しなければならない。
完璧な空間づくりができるだけの経済的な余裕があればヒュッゲはベストだが、誰もが簡単にできるわけではない。居心地の良い空間で家族や友人と共に過ごす。
実現すれば最高だが、ディズニーチックな夢物語の世界でもあるだろう。

その点カルサリキャンニトに込み入った下準備は必要ない。むしろ身につけている重りを脱ぎ捨てていくのだ。
「善き人間であろう」なんて気を張る必要もなければ、入念な空間づくりをする必要もない。パンツ一丁でお酒片手に心から脱力すればそれで良い。
おそらく「パンツドランク」しすぎると、長い時間をかけて築き上げた人間性が失われるかもしれないが、たまにはパンツ一丁になってゴロゴロするのも良いかもしれない。
あと、冬時期は部屋を暖かくしておくのをお忘れなく。