10.悲劇が生んだペンギンの自治政府
アルゼンチンとイギリスとの間で領有権が争われている「フォークランド諸島」には、1982年にアルゼンチン軍が突如として侵攻した際に、イギリス軍を対象とした30,000もの地雷が埋められた。
フォークランド紛争はイギリス軍の勝利に終わり、イギリスは領土を保持することに成功したが、地雷の撤去は困難を極め、多くの犠牲者が発生したために中止となった。
危険であることに変わりはないが、地雷はペンギンの体重では作動せず、人間の立ち入りは禁止されているため、ここにはジェンツーペンギンとマゼランペンギンによる自治政府が設立される結果となった。絶対に人間による干渉を受けることのないこの場所は、皮肉ではあるが彼らにとっては楽園なのかもしれない。