人は「自信家」について行きたくなる
研究チームはハイクラスの人がどれほど信頼されやすいかについても調査している。
先ほどと同じ学生に参加してもらい、擬似的な就職面接を受けてもらった。この様子はビデオで録画され、その様子を学生たちを知らない人に見てもらい、評価付けしてもらった。
すると、ハイクラスかつテストで自分の能力を過大評価した学生を採用者に選んだのだ。これは評価の基準において、自信の高さが能力の高さを上回っていた証拠である。
よく考えてみれば、これは当たり前のことかもしれない。
実力は長い時間をかけないと分かりづらい部分でもあるし、能力があってもナヨナヨしている人に付いて行こうとは思わない。一方で地位や肩書きの高さは初対面でも分かりやすい能力の指標であり、そこに「自信」が加われば信頼度はなおさらアップする。
こうした理由が、ハイクラスの人を盲目的に信頼してしまうことにつながるというわけだ。
ところがツライのは意外とハイクラスの人かもしれない。家柄や肩書きが良いという理由で過剰な期待をかけられ、本当の自分を理解されないなんてこともある。
こと信頼の問題において、「100%悪い人々」などいないのかもしれない。