インパクトファクターにさえ悪影響
引用の習慣は、研究分野で違いがある。たとえば、化学系の論文のタイトルには、科学用語の一部としてハイフンが頻繁に登場するが、他論文に引用される機会はどちらかといえば限られている。これは、タイトルに多くのハイフンを含むために、実際よりも少ない引用数が算出されるからかもしれない。
研究チームが特定の分野に絞り込んで調べたところ、特定の分野内であっても、ハイフンの数が引用数に影響することが確認された。

さらに研究チームは、論文タイトルに含まれるハイフンの影響を雑誌レベルでも調査した。「インパクトファクター (IF)」は、学術誌の引用頻度を決定するために用いられる計測法の1つで、特定の分野における雑誌の重要性を示すために用いられる。
ソフトウェア工学分野の雑誌を広範に調べたところ、JIFが高い雑誌ほど、タイトルにハイフンを含む論文の掲載率が低いことが、明らかになった。
これらの事実は、引用数を論文の貢献度や重要性を表す指標として固く信じてきた学術機関・政府・基金団体を震撼させることだろう。論文の質とはまったく無関係なハイフンの存在が、これらを歪めてしまうのだ。同様に、IFの妥当性が怪しいと分かったことも、かなりの大事件である。
小さなハイフンがもたらす衝撃は計り知れない。