Point
■25億年前の化石の中から、原始細菌の一種であるシアノバクテリアと思われる生物の残骸が発見された
■化石は、石灰岩とシアノバクテリアの死骸によって作られるストロマトライトと呼ばれる岩石から見つかった
■現存するシアノバクテリアよりもサイズが大きく、組織の一部が突出した形状を持つ
地球上の酸素はいつから存在するのだろうか?
酸素を生み出すのは、光合成を行う生物だ。ということは、光合成を行う生物がいつから地球上にいたのかがわかればその謎が解けるかもしれない。
今、その生物として科学者の中で有力視されているのが微生物の一種シアノバクテリアだ。
今回見つかったのは、25億年前の化石の中にあったシアノバクテリアと思われる生物の残骸である。
この生物は通常のシアノバクテリアよりかなり大きい。さらに組織の一部が突き出したような奇妙な形状をしている。
もしこの化石が本当にシアノバクテリアのものであれば、これこそが酸素を排出することによって地球の大気を変化させた張本人か、またはその祖先ということになる。
発表は今週「Astrobiology Science Conference」で、米シンシナティ大学のアンドリュー・チャザ氏によって行われた。
https://docs.google.com/viewer?url=https://agu.confex.com/agu/abscicon19/mediafile/ExtendedAbstract/Paper479094/2019_AbSciCon_Abstract_Corpolongo.pdf
「ストロマトライト」という岩石に微化石がびっしり!
この化石は、地球上の酸素濃度が急上昇した大酸化イベントが起きる1〜2億年前のものと推測されている。
これは地球と生命の進化にとって、地球史上でとても重要な時期だ。この時代に見つかった化石は過去に数例しかないため、今回の発見はかなり貴重だ。
チャザ氏は南アフリカを探索中、石灰岩とシアノバクテリアの死骸によって作られるストロマトライトという岩石に偶然行き当たった。
授業で使用するためにその岩石を自宅に持ち帰った彼は、その中に非常に小さい生物の化石、つまり微化石がびっしり詰まっていることに気がついた。
顕微鏡で調べたところ、これらの化石がケロジェンという有機化合物から成る中空球を形成していることが分かった。これらの中空球の中には、長細い形状をしたものもあれば、突出したような形状のものもあった。