歯で200万年前の食生活が分かる
歯の化石中に含まれる化学物質を調べるため、研究チームは高密度レーザーを用いてごく小さな断片を切り取り、分光計に当てて化学物質を分析した。
今回の研究では、A・アフリカヌス2個体の歯の化石におけるバリウム濃度の変化をマッピングすることに成功している。
ボワイヨ氏によれば、体内におけるこれらの化学物質量は食事によって大きく変化し、その影響は歯や骨に現れるという。
私たちの骨は生きている間に形を変えながら組成を変え続けるが、歯は子どもの頃に形成された後も変わらない。よって歯を調べることで、食事習慣の変化や移動範囲、さらに当時の気候の変動まで明らかになる。
歯は幼少時代の食習慣を知ることのできる化学的なタイムカプセルなのだ。