情報を社会的に得ることが孵化後の可塑性を促進
研究チームが統計分析を行ったところ、こうした生理学上の違いは孵化の長さのみに起因しているわけではないことが分かりました。
各グループに与えられた処置における唯一の違いは警告音の有無のみで、卵の行動における唯一の違いは振動の多さのみであることから、孵化前の胚が振動を通じて兄弟に危険を知らせている可能性が導き出されました。

また、非遺伝的メカニズムを通じて社会的に獲得される情報が、発生上の可塑性を促進する上でいかに重要な役割を果たしているかが伺えます。
今後、研究チームは発達途中の胚による社会的情報の使用が、環境的・社会的に不都合な状況を含むその他の条件において適応的な表現型可塑性に有利に働くかどうか、またこのようにプログラミングされた反応が同じ巣に属する胚の間で異なるかどうかを、調べたいと考えています。
自然の適応力には、いつも脱帽させられますね。