安全性や効果は不明瞭
ニュージーランドのオタゴ大学で地衣類を研究するアリソン・ナイト氏は、Xanthoparmelia scabrosaの摂取はいかなる形式であっても危険だと指摘しています。含まれる化学物質が有害であるばかりか、都市部に生息しているものの中には、銅・鉛・亜鉛といった重金属を多く含むものもあるからです。
さらに、市場に出回っているセクシー地衣類の粉末の中には、天然のXanthoparmelia scabrosaを一切含んでいないものも存在する模様。ある分析では、ある商品は、8割がバイアグラ、2割が刈り取った芝生で出来ていることが分かりました。
また、ナイト氏は、代替医療製品の原材料としてこの地衣類を大量栽培することは困難だと指摘しています。地衣類の多くは年に数ミリ単位というゆっくりとしたペースでしか成長せず、持続的な収穫はほとんど望めません。
「『生』と『性』のどちらを取るべきか?」という問いに対する答えは、一見明らかにも思えますが、人間の性へのあくなき執念はそうあっさりと断ち切れるものではないのもまた事実。リスクを十分に把握した上での、慎重かつ客観的な判断が求められます。