どうやって実験しているの?
気になるのは、このワケのわからない実験をどうやってやっているのか、という点でしょう。量子もつれは、現在は比較的簡単に作ることが可能です。
一般的な方法は、ホウ酸塩の結晶に、紫外線レーザーをぶつける方法です。この方法を使うと、1つの光子が結晶で2つの光子に分裂します。この分裂した光子は、エネルギーや運動量を一定に保って対照的に分かれて飛び、両者が区別できないもつれ合いの状態を作ります。
このもつれ状態の光子は、さらにそれぞれの光子がとり得る経路によって量子状態をデータ化しています。この光の経路は3本の光ファイバーとして考えることができます。
量子実験では、1つの光子を3本の光ファイバーに同時に配置することが可能です。これによって3つの量子状態を、データとして取り扱うことができるようになり、同じく3本の光ファイバーに分けた、もつれ関係にある別の光子へ状態をテレポートさせることができたというのです。
3つのパラメータを転送できるということは、3次元情報を量子テレポーテーションで取り扱うことができたということです。
これは原理的には、3次元だけでなく、もっと多次元の情報も扱うことも可能だといいます。
高次元量子システムは、量子インターネット実用化の重要な一歩となるだけでなく、結果的に量子コンピューターで扱える情報容量を増やせる可能性も秘めています。
さっぱり何をやっているのか、わからない研究ですが、いずれ社会に実装される時が来れば、そのすごさを実感できるように成るのでしょう。たぶん。