Point
■週に1〜2回昼寝をする人は、心臓発作や脳卒中の危険性が平均より48%低い
■週に3回以上昼寝をする人の心臓発作や脳卒中の危険性は、平均と変わらない
■昼寝の長さは、心血管の健康に関する限り特に重要でない
認知能力だけでなく創造力もアップするといわれる「昼寝」。しかし昼寝の効能はこれだけではないようです。
スイスの研究チームが最近行った調査で、週に1〜2回昼寝をする人は、心臓発作や脳卒中の危険性が低いことが明らかになりました。論文は、雑誌「Heart」に掲載されています。
https://heart.bmj.com/content/early/2019/08/16/heartjnl-2019-314999
週1〜2回昼寝をする人は心血管疾患の危険性が約半分
調査は、スイスのローザンヌに住む35〜75歳の住民から無作為に選ばれた被験者3,462名を対象に実施されました。3年間にわたって、被験者の健康状態を週次で確認し、前週の睡眠習慣について報告を受けました。その後、さらに5年間にわたり、被験者の健康状態を追跡調査しました。
被験者の60%近くが昼寝をまったくしないと回答したのに対し、約20%は週に1〜2回昼寝をすると回答しました。また、25%近くの被験者は、週に3回以上昼寝をすると答えました。
8年間の間に、研究チームは、計155件の致死性および非致死性の心血管疾患を観察しました。
調査の結果、週に1〜2回昼寝をする人は、全体平均の48%も心臓発作や脳卒中に陥る危険性が低いことが判明しました。昼寝をすることで、心臓や血管の健康が保たれるなんて不思議ですね。
ただし昼寝は、頻繁にすればするほど良いというわけではなさそうです。週に3回以上昼寝をする人は、心臓発作や脳卒中の危険性に違いが出ませんでした。