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宇宙ミステリー!天の川銀河中心部で青白く光るガス構造体が発見される

2019.09.14 Saturday

Point

■天の川銀河の中心部にて、電波を発する謎のガス構造体(ラジオバブル)が発見される

■ラジオバブルは、銀河面を軸に上下に向かって、数百光年もの長さにわたり伸びている

■仮説では、銀河中心部にある「超大質量ブラックホール」のげっぷが原因とされる

宇宙一美しいげっぷ?

オックスフォード大学の研究チームにより、天の川銀河の中心部でミステリアスなガス構造体が発見されました。形が泡のように広がっていて電波(radio wave)を発していることから、「ラジオバブル」と名付けられています。

研究主任のイアン・ヘイウッド氏は「はっきりした原因は不明ですが、過去数百万年の間に起こった何らかの爆発によるものと考えられる」と話しました。

その中で研究チームは、「ブラックホールのげっぷが爆破の正体ではないか」と仮説を立てています。

研究の詳細は、9月12日付けで「Nature」に掲載されました。

South Africa’s MeerKAT discovers giant radio bubbles at centre of Milky Way https://www.sarao.ac.za/south-africas-meerkat-discovers-giant-radio-bubbles-at-centre-of-milky-way/
Inflation of 430-parsec bipolar radio bubbles in the Galactic Centre by an energetic event https://www.nature.com/articles/s41586-019-1532-5

美しいガス発光体はブラックホールの「げっぷ」が原因?

観測に使用されたのは、南アフリカのケープ州北部に設置されている高性能の電波望遠鏡「KAT-7」です。

ラジオバブルの大きさは巨大で、銀河面(galactic plane)の上下に向かって数百光年の長さで広がるほど。これほど大規模のガス構造体を作り出す爆破は、恒星100個分が爆発するのと同じ威力でなければありえません

研究チームは、これほど大きなエネルギーを放つ可能性が高いのは「ブラックホールのげっぷ」ではないかと話しています。ブラックホールのげっぷとは、ブラックホールが物質を飲み込んだ時のエネルギー放出のことです。

「ラジオバブル」の画像
「ラジオバブル」の画像 / Credit: South African Radio Astronomy Observatory (SARAO)

天の川銀河の中心には、「いて座A*」と呼ばれる超大質量ブラックホールが存在すると考えられています。その質量は、実に太陽の400万倍を越えるとか。こうした超大質量ブラックホールは、天の川銀河だけでなく各銀河の中心部に必ず一つは存在するといわれています。

いて座A*のブラックホールは、他銀河のものと比べると比較的穏やかではありますが、折に触れて、周囲のチリやガス、星などに強く影響を及ぼすことがあります。

すると高エネルギー爆破の正体は、ブラックホールが周りの物質を飲み込んだ際に生じる巨大なげっぷが正体なのかもしれません。

では、ガス構造体の正体は何なのでしょうか。

ヘイウッド氏は、「げっぷ時に勢いよく噴出した荷電粒子のジェットが、ブラックホールの周囲にある磁力線に沿って、泡のようなガス構造体に変形した可能性が高い」と説明しています。

これほど美しい発光体を作り出すとは、げっぷもブラックホールの手にかかれば美しくなってしまうようです。

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