保存温度で衝撃波のタイプが変化
研究チームは、実験として、4本のシャンパン・ボトルを用意しました。内2本は30度と高めの温度で、あとの2本は室内と同じ20度で3日間保存されています。
これらのシャンパンは、製造後42か月が経過しており、「瓶内二次発酵(prise de mousse)」と呼ばれる発酵プロセスを受けています。
一般的な「発酵(Fermentation)」は、「キューブ」と呼ばれる発酵タンクの中で8〜10週間に渡り発酵させます。
この「瓶内二次発酵」は、そのあとの過程で、これをすることにより炭酸ガスが発生して、シャンパンやワインに溶け込み発泡し始めるのです。

そして、実験の結果、30度保存のボトルは、コルク開栓直後、大きな氷の結晶を作り、その結晶が光を散乱させるおかげで、より灰色がかった白の霧ができました。反対に、20度保存のボトルは、小さな結晶を作り、より青みがかった霧となったのです。
これは、温度が高くなるほど二酸化炭素の溶解度が低下するため、より高温で貯蔵されるボトルのネック部には多量のガスが存在しやすくなることが原因です。そのため、30°Cで保存したボトル内のガスは、20°Cで保存したボトル内のガスよりも高い圧力下にありました。
Belair氏は「マッハディスクは、航空工学の分野ではよく知られた現象ですが、シャンパンの研究において発見されたのは今回が初めて」だと話します。
これからパーティーの際は、コルクの飛距離ではなく、衝撃波に注目してみるのもいいかもしれません。ただ、眼球への直撃には気をつけたいところです。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/33189