Point
■2002年に中国の刑務所から囚人が脱獄、17年間隠れ続ける
■脱獄犯は何年もの間一人で過ごしていたこともあり、コミュニケーションが取れない状態にあるという
軍用だけでなく、空撮に人命救助と八面六臂の活躍であるドローン。今度は犯罪捜査に一役かったようです。
舞台は中国。女性と子供を人身売買した罪で収監されていたSong Jiangという囚人が、2002年に中国の刑務所から脱獄しました。
その後17年もの間、男の行方は掴むことができず、警察も捜索を諦めていました。ところが先月、事態は急展開し、男はあえなく再逮捕されることになります。
彼を見つけたのは、なんと人ではなくドローンだったのです。
空から隠れ家を発見
最初に事態を動かしたのは、先月9月初めに入ったある情報でした。「中国南西部にある雲南省の山で男を見かけた」という触れ込みを頼りに、警察は捜索を再開したのです。
男が目撃された場所は草木が鬱蒼とした山奥で、足による捜索は困難を極めました。そこで警察は、小型カメラを搭載したドローンを飛ばして、空から男の居場所を特定する方法に出ました。
すると、草木に囲まれた岩壁に、青色の屋根が張られた小さな穴ぐらを見つけたのです。
警察がそこを訪れると、中には歳を取ったSong Jiangその人がいました。
男は現在63歳。彼が住んでいた穴ぐらは、成人男性が立てないほど小さなサイズだったといいます。
彼は何年もの間、近くの川を飲み水にして、夜は木の枝で焚き火をして生き延びていたようです。
発見後、男は再び刑務所に収監されました。
警察によると、男は長年人と話していなかったこともあり、コミュニケーションを取るのが難しい状態とのこと。
ドローン技術がない時代であれば、残りの一生も山奥の小さな穴ぐらで隠れ過ごしていたかもしれません。