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チーズをなめらかに溶かす「ひみつの化学式」とは?

2019.11.17 Sunday

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Credit: depositphotos

チーズ好きさんの中には、「チーズは溶けた時が一番美味しい!」という持論を持っている方も多いでしょう。

セミハードタイプのチーズは、熱で溶かすと柔らかくとろけ、なめらかに伸びますね。実はこの時、チーズの内部では多くの現象が起きているのです。

ハード系チーズがなめらかに溶けにくいワケ

チーズの大部分を構成する脂肪と水は、乳化した状態、つまり水っぽい媒質の間を脂肪の粒子が漂っている状態にあります。脂肪と水は、乳化剤であるタンパク質の働きによって結びつきます。また、タンパク質同士も、カルシウムの助けを借りて結合し、チーズ全体に網目状の構造を張り巡らせます。

脂肪は、温まると固体から液体に変化します。同時に、熱はタンパク質の結合を緩めることで、とろみのあるテクスチャーを生成しますが、この時チーズ内の水分は、脂肪と混ざり合ったまま内部に留まるのです。

でも、すべてのチーズがこう上手く溶けるとは限りません。ハード系チーズの代表であるグリュイエールチーズのように、加熱すると固形物と液体に分離してしまうものもあります。脂肪の水たまりの表面にタンパク質の固まりがプカプカと浮いている姿は、決して食欲をそそるものではありませんね。

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グリュイエールチーズ / Credit: Rolf Krahl/Wikimedia Commons

その原因は、こうしたチーズに含まれる水分のほとんどが熟成期間中に蒸発するからです。水分量が少ないからこそ、熟成チーズならではの濃厚な薫りが生まれるのですが…。

乳化はとても繊細なプロセスです。乳液状の構造を保つために十分な水分がなければ、脂肪は熱で溶け、液状になります。

また、タンパク質は熟成期間中に小さな塊を形成します。これらの塊はお互いに強く結びついているため、加熱した時にその結合を簡単に解くことはできません。このため、脂肪が液状になったとしても、タンパク質は塊のまま残るというわけです。

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